皆さんこんばんは。一の太刀でございます。
秋晴れの清々しい中、全日本剣道選手権大会が無事開催されました。
今年も自宅でネットでのライブ中継で観戦となりました。
では2018年の全日本剣道選手権を総括したいと思います。
優勝は熊本:西村選手 準優勝は東京:内村選手
なんとかつては2人しか達成したことのなかった連覇を西村選手が成し遂げてしまいました!
三回目の優勝です。
決勝戦は昨年と全く同じ顔合わせでした。
さすがは内村選手といったところ。ちなみに今年の全国警察剣道選手権大会でも決勝戦は西村選手対内村選手であり、その際も西村選手が優勝しています。
今年の剣道界は世界大会を除けばこの二人の独壇場と言っても良いものかもしれませんね!
優勝 熊本:西村(英)選手
さすがに連覇することは難しいであろうと思っていましたが、それを成し遂げてしまうというこの西村選手の凄さは技術のみでは語れないでしょう。
その精神面の成熟度が相当高いものであると想像できます。
かつてかの宮崎正裕先生が「優勝は狙わなければできるものではない」と言っていましたが、西村選手も当然のように連覇を狙っていたのでしょう。
今年は「小手」だけでなく、「面」も効果的につかい勝ち上がっています。
優勝三回は伊達ではとれません。西村選手は内村選手同様に他の強豪選手と比べても、一つ抜きん出た何かを手にしているのかもしれません。
強いですね~
二連覇おめでとうございます!
■西村選手の記事はこちら
準優勝 東京:内村選手
内村選手からすると数年前の停滞していたようにみえる成績はなんだったのかと思うほど、昨年からの活躍は変わらず素晴らしいものがあります。
今年、残念ながら優勝はできませんでしたがこれで優勝3回の準優勝5回です。
どれほど長年ハイレベルな活躍をされているか一目でわかるものですね。
準決勝での大分:竹下選手戦では一本目を「入り際の出鼻面」で取られてしまいました。
これは昨年の林田選手戦と近いものでした。
しかし、今年もここから二本驚くべき打突で取り返してしまいました。
ともに一本目で打たれた竹下選手の鋭い「入り際を狙った面」を仕留めています。
変らぬ精神力。素晴らしい。
準優勝おめでとうございます!
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第三位 北海道:安藤選手
今年の世界剣道大会の日本代表の大将を任されるほどの逸材。
その個人戦でも優勝されています。
世界大会の活躍からそのままこの大会に挑んでいるような「気迫」や「集中力」をなんとなく感じることができるほど充実しているようにみえました。
準々決勝での神奈川:勝見選手戦などは圧巻でした。
あの勝見選手を圧倒して二本勝ち。
一本目も勝見選手の中心を抑えてきた竹刀を身体ごと勢いで打ち気っています。
そして見事な「突き」で勝負あり。
この段階で安藤選手が優勝する可能性は高いのではと思ったものです。
敗退したものの、準決勝での熊本:西村選手との試合も素晴らしいものでした。気持ちも乗っており、攻めの気迫も素晴らしい。
あくまでも個人的感想ですが一本目に「小手」を取られましたが、あのシーンであの「小手」を取られては、なかなか「面」を打つことができなくなってしまうように感じます。
少々不運でした。
しかしそれだけ「場を作る」ことに西村選手が長けているともいえるのかもしれません。
いずれにせよ「あれでとられては仕方ない」というような素晴らしい剣道でした。
安藤選手が優勝するところを楽しみに待っています!
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第三位 大分:竹下選手
またも三位となった竹下選手。
独特の打ち間、打突を持ちその打突フォルムをみればすぐに竹下選手とわかるようなもの。
攻撃力は抜群です。
世界剣道選手権にも選出されており、実力通り勝ち上がりました。
あの大器である北海道:山田選手戦では圧倒してましたね。
これからますます活躍されそうです。
第三位おめでとうございます!
注目の「試合」
今大会で、「おー!!」と感じた試合です。
大阪:前田選手 VS 茨城:松﨑選手
この試合、前田選手がその実力をいかんなく発揮して「返し面」で一本先取。
その後、松﨑選手も意地の「面返し胴」を見事に決めます。
そして、その直後に前田選手が「返し胴」を一本として勝負あり。
直後に同じ技で一本を奪おうとする前田選手の気迫と「面」を想定する意識が素晴らしい試合でした。
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熊本:西村選手 VS 高知:中澤選手
この試合では西村選手が逆転勝利をするのですが、私がおーっと思ったのは一本目の中澤選手の「出鼻小手」です。
西村選手が手元を上げながら前に詰めていきます。
これは西村選手が得意としているパターン。ここで相手が同様に手元を上げてくるとそこにあの素晴らしい「小手」が待っている。といったものです。
しかし、このシーンでは中澤選手は下がりながら間を維持。
そして通常であれば西村選手が「小手」を打ってくるであろうと想定するところに中澤選手が「小手」を打ち込み、西村選手は「面」
文句なしの一本となりました。
よくそこで「小手」を選択したなと。
福岡:國友選手 VS 神奈川:野村選手
大柄な上段の野村選手に対してどのように攻めるのか興味がありました。
そこで國友選手が決めた一本は私としては驚きあるものでした。
野村選手の「左片手面」に対して「返し胴」です!
上段選手に対して「逆胴」ではなく通常の「返し胴」を打つという選択肢が私にはありませんでした。
これも一本となり得るということを教えてもらいました。
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驚嘆した「選手」
この大会で印象に残った選手です。
愛知:久田松選手
三回戦で残念ながら安藤選手に負けてしまいましたが落ち着いた試合運びで一回戦二回戦ともに素晴らしい「面」を決めて勝ち上がりました。
「機を見るに敏」
といったところでしょうか。
これからの活躍が楽しみな選手です。
おわりに
今年も素晴らしい試合ばかりで良い大会でしたね。
ここに記載なかった各選手の試合すべてが素晴らしいものであることには変わりありません。
ただ実績ある強豪選手がある程度順当に勝ち上がっていったという印象がある大会でした。
それにしても西村選手の強さは圧巻でした。
また、安藤選手の試合展開は素晴らしいものだと感じます。
そして、内村選手。ベテランになっても変わらない手本とすべき剣道家。来年も期待したいところです。
そうそう、この記事はどうしても個人的好みの選手に目が行きがちですが、何卒ご了承ください!
■今大会の「予想」記事はこちら
また来年も良い大会になることでしょう!
ではまた!
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