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【団体戦 感想の回】2024年 第19回世界剣道選手権大会

ニュース

一の太刀でございます。

前回は世界剣道大会の個人戦の感想記事を書きました。

今回は団体戦の回でございます。

前回大会では男女ともに見事優勝されています!

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男子・女子 団体戦 決勝

男子59チーム、女子45チームが参戦していました。

当ブログでも何度かご紹介しましたが、改めて外国チームの剣道に対する真摯な気持ちは素晴らいものがあり、我々日本人も勉強するべきところがあるように感じます。

海外の皆さんの記事

そして何を隠そう、ブラジル代表選手には私の剣友もメンバー入りしており、主力としてご活躍中であります。

素晴らしい声と踏み込みをされる実力派剣士です。

ですので個人的には日本代表の次に応援しているのはブラジルです。

その様な中、決勝に勝ち上がったのは我らが日本代表と韓国代表でありました。

女子 決勝戦

我らが日本代表女子チーム構成は次の通り

先鋒:松本選手

次鋒:髙橋選手

中堅:竹中選手

副将:妹尾選手

大将:渡邊選手

先鋒:松本選手

常に剣先をゆすり剣の攻め、気の攻めの姿勢をとる松本選手。

安定した試合運びの中から鋭い引き面!

これは一本とならず。

しかしその後に、ググっと攻め、お相手が我慢できずに反応してしまったその刹那に面を繰り出しました!

素晴らしい出鼻面で一本を取ります。

先鋒としての役目をしっかり果たし、一本勝ちとなりました。

次鋒:高橋選手

先鋒の松本選手同様神奈川県警所属で前回大会でもメンバーとして優勝に貢献している高橋選手。

勝者のメンタリティをを知る彼女はこの試合でもその強さを発揮します。

やはり攻めを忘れない高橋選手は刹那に引き面で一本を取ります。これを決めきるところが素晴らしい。

二本目開始直後にはお相手が片手突きをしたところをさばき、すぐさま前にでて小手を打ち一本とします。

さすがの判断力。強い!二本勝ちです!

中堅:竹中選手

今回女子監督の竹中教士八段の娘さんである竹中選手。

実力に疑う余地はありません。

際どい打突も何度かありましたが一本とはならず。

とは言え安定した試合運びで引き分けます。

副将:妹尾選手

やはり異彩を放つ剣風の妹尾選手。

引き続きどっしりとした攻めの中からお相手の様子をうかがっているように見えます。

勝たねばならない韓国選手に対して妹尾選手は安定の試合運び。

そこからお相手の防御態勢の合間を狙い撃つようなで一本とします!

完全に妹尾選手のペースであり、その後体当たりから崩されながらも引き面を打ったお相手の手元に小手を打ち込み一本。

勝負ありです。

大将:渡邊選手

渡邊選手も前回優勝メンバーの一人。

初めのやり取りから打突部位には当たらずとも小手で一本を取ってしまいます。

さらには裏から竹刀を払っての飛び込み面!

これが決まり勝負あり!

おそらくやり取りから見るにお相手の大将も相当な実力者に見えましたが、素晴らしい飛び込み面でした。

結果 4対0で勝利!

素晴らしい試合でした。

日本代表の優勝です!!

男子 決勝戦

日本代表チームのメンバーは次の通りです。

先鋒:星子選手

次鋒:松﨑選手

中堅:草野選手

副将:竹ノ内選手

大将:安藤選手

まさにオールスター!!

先鋒:星子選手

個人戦で堂々優勝を飾った星子選手。

この試合も安定感ある試合展開を繰り広げます。

つばぜり合いの刹那に体を崩してからの引き面が決まります。

何度も見かけるその引き技にも安定感を感じつつ、一本勝ち!

次鋒:松﨑選手

恐るべき飛び込み面を打つ松﨑選手はこの試合でもその面を何度も繰り出します。

小手を拾われたり、胴を返されたりするリスクがある中で、怖くないのでしょうか。

しかも世界大会の決勝戦です!

松﨑選手しかわかり得ないリスクを下げる何かをしているのでしょうか。

その飛び込み面で一本を取ります。

お相手の韓国人選手らしい技にもしっかり対応し、一本勝ち!

中堅:草野選手

草野選手は現役ナンバーワンの上段の使い手でしょう。

フィジカルもあり、その力強さは相対する者に計り知れないプレッシャーをかけるのではないでしょうか。

それを恐れないお相手。

見事な返し胴を決められお相手の一本。

抗議や審判の判断など気になる点はありましたが、その後に草野選手の片手小手を余しての面。

これがお相手の一本となってしまいます。この一本は竹刀で防いでいたとはいえ審判によっては取るケースもありえる仕方ない機会だったように感じます。

お相手もさすがです。

それにしても草野選手がまさかの二本負け・・

なんとなく、でしかありませんが、焦っているような試合展開だったと感じました。

近年では日本選手でも増えているように感じますが、際どい打突の後の残心と言えないような動き。

アピールと見て取れるようなお相手の動き。

まさか草野選手ほどの人が、それらに焦りやプレッシャーを感じるとは思えませんが・・・

副将:竹ノ内選手

この時点で二勝一敗。

ふてぶてしいまでの精神的強さをもつ竹ノ内選手。

こういったシーンでは頼もしいばかりです。

いつもより少しばかり足を使っているようにみえる竹ノ内選手。

いつものような見慣れた試合展開。しかし・・・

お相手は竹刀で上から制するような動きから飛び込み面

これが一本となります。

あの竹ノ内選手からこのような飛び込み面を決めるとは正直びっくりしました。

お相手も強いですね。

しかしそこからが竹ノ内選手の強さたる所以でしょうか。

際どい小手でしたがそれを一本とし、さらには攻めてからの面で勝負あり!

三勝一敗で勝ちを確定させました!

大将:安藤選手

前回大会も大将を務めた安藤選手。

日本の大将として素晴らしい試合を見せてくれました。

チームの勝敗は決していましたが、韓国の大将も、この世界大会団体戦決勝の大将戦に相応しい試合だったように感じます。

お互い決定打はなく引き分けでしたが、良いものを見せていただきました。

かつて、日本には内村良一という素晴らしい大将がおりました。

小柄ながらも日本の大将として裂ぱくの気迫で相手を圧倒していました。

声ではありません。その姿勢、内からにじみ出る形容できない何かで。

私はその試合を忘れることができません。

安藤選手のこの試合からは近いものを感じました。

ありがとうございます。

結果 三勝一敗で日本勝利!(感想も)

素晴らしい試合でした。

決勝の相手だった韓国チームは以前より剣風が少々変わったように思います。

コロナルールの影響が大きいからでしょうか、以前のように我々からすると打つべき機会ではないと思われる場面での打突などが減った印象です。鍔迫り合いの時間が少ないですからね。

試合としては日本国内でみる試合展開と近しいものになっているように感じました。

日本人としては嬉しく思います。

さらには道着も我々の思う剣道着ではない特有のものを着用していましたが、今回は藍色の道着で挑まれていましたね。

ただ、以前聞いた話ですが、韓国の道着には「腰板」がない特徴があるようで、今回は腰板ある袴を使用した選手と、腰板が確認できない選手とがおりました。

袴の「腰板」は日本文化においては大切なもの。

「襟首袴腰」という古くからの教えにもあるように腰板を腰骨につけることで正しい姿勢を保つ重要なものと考えられてきました。

その意味からしますと、やはり特有のものと感じます。

賛否あるかもしれませんが、私としては思うところはあれど互いに力を出し合った素晴らしい試合だったと感じました。

両チームともに白熱した試合をありがとうございました。

おわりに

始めにちょっといい話ではないことを少々・・・

国際大会を見ていますと、やはり「剣道とは」といったものを考えることがあります。

その様な中、この大会の話だけではないのですが、改めて「残心」について思うところを書かせていただきますと、近年は日本でも多く見かけるようになったアピールとも思える動きについて。

竹刀を何度も中段へ戻したり、首もフリフリしたり、大げさに竹刀を振り下げたり。

ここ10年ほどで気になるようになりました。

あくまでも私の個人的な感情論かもしれませんが、どうにも好きになれません。

「ガッツポーズ」とさして変わらないように感じるからです。

「競技」としてみれば審判の感情を揺さぶるかもしれないアピールが必要との意見もあるかもしれませんね。

他国はどうであれ、私の剣道感では「一本取ったでしょアピール」は存在しませんので、日本人にはできればやってほしくない。そう思う次第です。

しかし、このような感覚も時代が変われば変化せざるを得ないものなのでしょうか。

私としては古を考える=稽古に励むことしかできないのかもしれません。

まあ、私も審判の旗が上がったことを確認してから残心を取るので、それも残心ではないのではと突っ込まれそうですが・・・

駄文失礼しました。

さておき、私としてはこの日本代表チームも誇らしく感じました!

ありがとう!

また、今大会を見るに益々世界的に実力が上がっているように感じます。

ますます、緊迫した試合展開が多くなりそうです。

次回も楽しみですね!

各国代表また運営委関係者の皆様、大変お疲れ様でした!

ではまた!

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