2017年7月28日 試合で決めた「出鼻小手」追記しました。
皆さんこんばんは。一の太刀です。私は仕事で郊外へ行くことも多いのですが9月に入り稲穂が大きくなってきたなと感じます。関東では9月下旬から10月上旬が実りの秋で稲刈りの季節となるでしょうか。
では剣道のお話です。本日は「出鼻小手」です。
前回「出鼻面」のお話をしましたので続けて同じく「出鼻技」の小手のお話です。
比較的、子どもから大人まで皆が使うであろうこのポピュラーな技は、相手が強ければ強いほど決めることが難しくなる技だと思います。まぁ、どの技もそうなのですけれども、普通に小学生でも使っている技であり一般的にもよく使われるものであるのに、なぜでしょうか。
基本的に出鼻小手は攻められて近間から面を打たれると決めることが難しく、予備動作からそのまま素直に面を打ってくれる方であれば決まりやすいですが、そう簡単に決めさせてくれる方ばかりではありません。
出鼻小手は「素早く」間合いを詰める
私が復帰後にうまくこの技を決められなかった原因を以下に記載します。
・間合いを詰められてから「上から」の小手を打っていた
・相手をできるだけ目で「見て」始動していた
・反射神経にたよっていた
・受け身である
私は昔、小手と言えば上から竹刀を相手のものと平行に振り落とすものと思い相手が来そうな瞬間、感覚だけで出小手を狙っていました。たまには決まりもしましたが、しかし、真っ直ぐに面を打ってくれる方なら良いのですが、横面で小手を隠しながら面を打つ方もいます。気配を悟らせない工夫や技術も、上に行けばいくほど高次元なものを持ち合わせています。
そこで模倣です。道場の兄弟子に出小手を上手に打たれていましたのでその兄弟子がどの様な機会と打ち方をしているかを確認。また、東京都大会でお見かけするこの人は!という方のそれを研究しました。やはり真似るって大事ですね!
そこから得たものは私がやっていたものとはまるで違うものでした(衝撃!)
コツは下からの小手
「自らが前に攻めて出鼻小手」
一言でいうとこのようなことでした。
間合いを詰めて下からの小手です。
この出小手は能動的なものです。具体的には「攻め」と「誘い」の2つのパターンがあるように感じます。前に攻め、相手はこらえきれず(攻めが利き)、もしくは隙ありとみて(誘われた)面を打ってきます。このタイミングで小手を打つことで必然的に「出鼻小手」となる方法です。こちらから仕掛けるのです。
以前「小手打ち」についての記事を書きましたが基本の動きは全く同じものであります。
相手が面を打ってくる際、更にその上から小手をかぶせることは至難の業です。たとえ横面などを打ってきたとしても下から打てば小手を切り落とす確率が高くなります。
では最近の画像を見てください。
「ススッ」と入って「パンッ」と打つ
遠間からは「1・2・3」であり一足一刀の間合いからは「1・2」のリズムです。
■遠間から
すり足で2歩「ススッ」と入って(1・2)打つ「パンッ!」(3)
■一足一刀の間合いから
すり足で1歩「スッ」と入って(1)打つ「パンッ!」(2)
すり足で素早く入り込むことが重要になってきます。
こう考えますと、改めて剣道は「攻めて」打つことが大切なのかなと思います。出鼻技の場合、相手が一歩前に攻めてきた際、こちらも「誘い」であえて一歩下がり、そこから面もしくは小手で出鼻技を成立させるケースもありかと思います。私も試合でこの流れで出鼻小手を決めたこともあります。
実際の試合で決めた「出鼻小手」の画像
こちらもよろしければご覧ください。
あわせて、2017年10月の試合での「出鼻小手」は次の通りです。
その際の記事はこちらです。
一歩さがり誘ってからの出鼻技
出鼻面になりますが一歩下がっての画像がありましたのでどうぞ
しかしながら結果的にこの流れになったのであれば良いのですが、この場合、少しでも気持ちで負けたりタイミングが遅れると相手に乗られる確率も高いので、初めからこの誘いを狙わないほうが良いのではないか。一流選手であればこれを狙っていくことも多々あるやもしれませんが、私たちはあくまでもこちらから「仕掛ける」ことを大事にしていきたいと考えます。
余談ですが私が常に模倣している選手がおります。
その選手とは西東京の雄「神崎力」選手です。
知る人ぞ知るこの方は長年に渡り警視庁の強豪選手を倒し続けている恐るべき「技のキレ」をもつすごい方です!
今回の「出鼻小手」もこの神崎選手あってのものです。
その「神崎力」選手の記事も書きましたので是非ご覧ください!
ではまた!
コメント