皆さんこんばんは。一の太刀でございます。
すっかり冬の寒さを感じるようになってきました。日が落ちるのも早いですね。
お身体ご自愛ください!
では剣道のお話です。本日は「剣道の踏み込みとミッドフット着地」です。
私はつい最近になって聞いた言葉です。
「ミッドフット着地」
皆さんはご存知でしたか?
「ミッドフット着地走法」とは
「ミッドフット着地」とはなんでしょう。
私は2017年11月現在放送中のドラマ「陸王」を見て初めて知りました。
あらすじは先細り著しい老舗の足袋メーカーの会社が社運をかけて新たな事業として足袋ベースのランニングシューズを開発し、成功に向かって突き進む物語です。
なぜ、足袋をベースとしたランニングシューズなのか?
ランニングの際、足を着地するのに「踵」から地面について走ることを「かかと着地(ヒールストライク走法)」というそうです。
現代日本人が普通に走るとだいたいこの「かかと着地」になるそうですね。
よって市販のランニングシューズのほとんどがこの「踵」にクッション強めに入れたソールのものになります。
しかし、素足で走ると自然と「かかと着地」ではなく「足裏中央付近、または足裏全体で着地(ミッドフット着地)」となるそうです。
不思議ですね。しかし、良く考えれば、素足でいつも歩いたり走ったりするときに常に「踵」から着地していれば、簡単に「踵」が痛くなりそうです。そう考えると「ミッドフット着地」が自然な気がします。
「ミッドフット着地」で走るために、素足と変わらない感覚で走ることのできるランニングシューズ
これがその足袋メーカーが目指したランニングシューズ「陸王」でした。
地下足袋などはシューズより素足に近いものです。足袋メーカーならではのアイデアですね。
そんなドラマなのですが、この足裏中央付近、または全体で着地する「ミッドフット着地」にとても強い関心を私は持ちました。
この「陸王」のモデルではないかという、足袋のシューズは存在します。
足袋メーカー「きねや」さんの「無敵」シリーズです。
また、モデルとなったのはあの「アシックス」ではないかとのうわさもあるようですね。
「ヒールストライク走法」と「ミッドフット着地走法」はそれぞれメリット・デメリットがあるようですが、ここでは割愛します。
私が気になったのは「ヒールストライク走法が一般的に多い」ということです。それは、「剣道では踵で踏み込んでしまう方が多い」ということになるのか?
剣道の「踏み込み」や「すり足」はどうなのか
よく、剣道の踏み込みで「踵」を痛める方、いますよね?
踵サポーターをされている方をよくお見かけします。
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当たり前ですが、これは踏み込んだ際に「踵」から着地しているから痛くなるのだと思います。
では、どうすればよいと教えられていますでしょうか。
すり足と同様に床と平行に足を下ろす。足裏全体で着地するイメージで伝わっていませんでしょうか。
「かかと着地」では良い「踏み込み音」がでない
「踵」で踏み込んでしまうと「良い音」はでないでしょう。これも問題です。一流選手は踏み込み音も「パンッ!!」と、とても良い音をだします。
これは「かかと着地」ではなく足裏全体で着地しているからと想像できます。
それは「ミッドフット着地」と同じ状態なのではないか?
そんな疑問が頭に湧いてきます。
ミッドフット着地で踏み込むには
足を前に出す意識だと、どうしても「踵」が先行して踏み込んでしまう傾向が強くなるかと思います。
できるだけ踏み出した足を自分の身体の下で着地するイメージで行うと足裏全体で着地しやすくなります。
当然ですが腰などの上体もしっかり前に推進していなければできないものでしょう。
腰もしっかり前に推進するには腰に紐をくくりつけて、前に引っ張られるような感じというのでしょうか。そして、地面をしっかり蹴ること。
これらを総合することでミッドフット着地になっているように感じます。
私の踏み込みの場合

身体の下付近に踏み込んでいます

ミッドフット着地っぽい打突だったと思います。良い音も出ていました。
感覚はほぼ先の「ミッドフット着地」のイメージと同様で腰も前にでている感じです。
また、以前書いた記事にもありますように、私は「踏み込み音」には自信があります。
良い音を出せるのです。
しかし、以前は「ドン」というような鈍い音しか出ませんでした。訓練して出せるようになったのです。
ただし、こうすればできるという明確なものがなく、感覚で「こんな感じにすると良い音になるのだ」というものを、わかった時があり、それを基準に稽古に励んだ次第です。
そのことを書いた記事は次のものです。

上半身が前に突っ込むと良い音は出ないのは間違いありません。
イメージとしては腰もしっかり前に推進されていて、一瞬、踵から着地して土踏まずの空気を弾いて音を出している感じです。

こんな感じ。
う~ん、こうしてみると「ミッドフット着地」とは言えないような気もします。
しかし、足だけ前に出して進もうとすると「かかと着地」や「足が戻ってきてしまう現象」になりがちですし、腰で移動して足はあまり前に出す感覚でないのは「踏み込み」としても間違いなさそうです。
「足」というより「膝」を前に出す
そんなイメージの方が良いかもしれませんね。
まとめ…られず…
正直に言って、「剣道の踏み込みがこういうものだ」という本式はよくわかりません。
答えがでないままなのでまとめられませんが、「できるだけ上半身だけで前に突っ込まない」ということは当たり前のようですが、必要だと感じます。
その様になりがちな方の修正方法として、「ミッドフット着地」を意識するということは有効ではないかと思います。
また、「踵サポーターがないと痛くて不安だ」という方も、踏み込みについての修正の材料となりえるのではないでしょうか。
「ミッドフット着地」
剣道に通ずるかもしれません。
ではまた!
コメント
一の太刀 先生
「バイオ戦争シリーズ」ご覧下さったとのこと、ありがとうございます。
あのコメント、最後なんだかぶっきらぼうに終わってしまい、
申し訳ございませんでした。
「もしお時間がありましたら見て下さると嬉しいです」と書いたあとで、
「いやいや、あんなふざけた記事を見てくださいなどおこがましい」と思ったり、
「でも、ただ書くのもなあ」とか思ったりしているうちに、降りるバス停が接近!
ああ、もう!とバタバタと終わらせてしまったのでした。
失礼いたしました。
(で、実は10月にシリーズ2と3がございまして。
さらにふざけた記事ですので、本当に暇で暇で仕方ないときにでも
ちらっとのぞいてやってくださいませ。)
でも!
小手の匂いの話といい、このミッドフット着地の話といい、
一の太刀先生とは、なんだか着眼点が似ている気がして嬉しくなってしまいます。
(まだ未完なのですが、私も着地についての記事を書いたことがあり、日頃歩く時や走る時にも意識しています。)
今は師走でなかなかゆっくりとブログを拝見できないのですが、
まだまだ面白い記事がたくさんあるそうで楽しみです。
剣心一女さん、コメントありがとうございます!
まったくぶっきらぼうではありませんよ!
2と3も読ませていただきましたが、あのようなスプレーがあったなんて知りませんでした。しかも高い効果も期待できそうですね!
踏み込みの記事はバレエのステップやウサインボルトのスタートのものなどでしょうか。
たしかに遠間からグッと飛び込めそうですね!他のスポーツなどからもヒントになるものがあるかもしれません。
たしか、一昔前の京都府警の強豪・磯合選手も踏み込みで左足の引き付けがうまくいかず、サッカーで左利きの選手がボールを蹴る時のようなステップをイメージしていると言っていたことを思い出しました。
いろいろ考えると面白いですね。
ではまた!
一の太刀 先生
お返事ありがとうございます。
先生の記事に共感して、「嬉しい!」と思いコメントしたつもりが、
なんだかいつも自分のブログの宣伝みたいになっておりました。
「宣伝せんでええ!」ですよね〜
失礼いたしました。
私の身近にも、踏み込みの音について、よく仰っている先生がおられます。
ご自身が、踏み込みの音が変わるまで練習なさったら審査に合格されたそうで、
稽古中何度も「やってごらん」と言われていますが、私はまだまだ上手く出来ません。当たり前といえば当たり前ですが……
私が着地に興味を持ったのは、ランニングの時の効率良い走りについて考えたからです。それが、剣道のパフォーマンスにも繋がるかな…と。
『42.195kmの科学』という本やウォーキングの本を読んだりしていますが、いまだ研究中です。先生がご紹介なさっているランニング足袋『無敵』も何度Amazonでポチっとしようとしたことか……
ウォーキングやランニングの本にも、踵から着地すると、踵そのものや膝を傷める可能性があるからやめた方がいいと言っているものもありますよね。しかも、踵着地ってブレーキがかかるとも言われていますから、効率も良くないですよね。
先生のお陰で、改めて、踏み込みの音や着地の仕方を考える機会を得ました。
ありがとうございます。
剣心一女さん、コメントありがとうございます!
踏み込みは難しいですよね。私も試行錯誤しています。
ランニングシューズでは最近また踵のクッション性のあるものでバネのようにしなるものが流行っているとかいないとか聞きました。剣道の場合は踵を痛める踏み込みはやはり良くないでしょう。ケガしないことが一番ですしね!
それにしても剣心一女さんは大変研究熱心で恐れ入ります。私も刺激になります。
ありがとうございます。
ではまた!
私も踏み込みで悩んでいます。
今の強い選手を見ると必ず通りの良いパァンという大きな踏み込み音で審判への心証をよくしているように見えます。(速過ぎる打ちの打突音の補足になっているような?)
比べて私の踏み込みは足裏全体で着地するドォンという鈍い音。パァンという音も踵→つま先の順で踏めば出せるのですが打突と組み合わせると滅茶苦茶痛いので、やりません。
やり方が違うのかと思い道場で音の大きい人の踏み込みを目を凝らして見るのですが正直速すぎて、どういう踏み込みになっているのかも見えません。
そこで先生に尋ねてみたのですが、本当はそんな踏み込みはしなくても良いとのこと。よく通る高い音は本来の踏み込みではないと言われました。
しかし一本を取る剣道ではそのような踏み込み音は必須ですし、私もまだ若いので勝ちたい気持ちが強いです。
なんともまとまりのない文章になってしまいましたが、剣道は本来の理想の形(ただしそれですら元々の剣術から離れているので何をもって理想とされているのか不明)と一本を決めるために「打ちを魅せる」形の2つが明らかに存在し、身体も頭も器用でない私はこの間で揺れ動いています。
本当はこういう細かいところも審査基準としてしっかりアップデートっしてくれていったら悩まず済むんですけど…
若手内さん、コメントありがとうございます!
>本来の理想の形と一本を決めるために「打ちを魅せる」形
そうですよね、私も古典的な教えと現代の剣豪の動きなどを比べて違いを感じたりすることがあり、
どう解釈すればよいのかわからなくなることがあります。
踏み込みについても確かに音を出すようなものよりも、すり足で踏み込むことが良しとなるのでしょうか。
良い音が打突音の補足になっているとのこと、私も少々感じます。
私の場合は「本来の理想の形」がどの様なものか理解する努力を忘れずにいつつ
「一本を決めるために「打ちを魅せる」形」も自身の許せる範疇で自分のものとすべく稽古しています。
このあたりの違和感についてはあまり考え込まないに限ります(笑)
基準がしっかりあれば確かによいですね。
うる覚えで恐縮ですが、北辰一刀流の千葉周作は当時の剣術界において抽象的な教えが多かったところを
わかりやすく理論的に教えることで隆盛を誇ったとのこと。もちろん実力も折り紙つきだったからということですが。
本当にわかりやすくしてほしいものですね。
よろしくお願いします!