一の太刀でございます。
最近は対人稽古をされている方もおられるかと思いますが、状況いかがでしょうか。
引き続き新型コロナの感染者数も増えてきております。皆さんお気を付けください!
そのような中、私も変わらず一人稽古の日々ですが、その中で気になったことを書き留めたいと思います。
「切り返し」は一呼吸で
切り返しの教えの中で、始まりの「面」から続いて左右斜め45度「面」進んで4回、下がって5回を打ち込むところまでで1セット。
これを2セットやることで1セットとなることが多いかと思います。
そして、1セットを「一呼吸」でやりましょう
というものがありますよね。
私も昔から意識はしていましたが、思うほど簡単ではなく、そして、その効果もさほど実感するものはありませんでした。
ただ、この度の一人稽古中心の生活の中で素振りをしながら思案している際に、そのことが頭を過ぎりました。
そこで少し趣向を変えてみることにしました。
呼吸は吸う時間を短く、吐く時間を長く
物の本では「相手が息を吸う時を狙って打ち込め」と謳っているものもあります。
自分側に立って考えますと、「吸っている時は力が出ないため、できるだけ短くし、力を発揮できる吐いている時間を長くとる」
といったところでしょうか。
この状況を地稽古などでも常に発揮できるようにすることを目的として一人稽古に励みます。
スタンフォード式 疲れない体の「IAP呼吸法」が剣道の腹式呼吸か
以前、臍下丹田に関する記事を書きました
その際も書いたのですが、師匠の教えとして「鼻で息を短く吸い、裂ぱくの気合の声とともに、下っ腹を出す」というものがあります。
「息を吐くときもお腹は出ている」です。
私はこれを「正しい教え」として考えています。
ところで、2018年に出版された「スタンフォード式 疲れない体」という本をご存じでしょうか。
私は直接読んでおらず、あらまししかわかりませんが、「IAP呼吸法」というものがあり、文武ともに秀でた名門スタンフォード大学ではこの呼吸法でトップアスリートたちの疲労に向き合っているそうです。
その「AIP呼吸法」では「息を吐くときにもお腹周りを固くして息を吐き切る」というのです。
「息を吸うときも吐くときもお腹はへこませず、圧力をかけて固くする」とは
「剣道の呼吸」につながるものではないでしょうか。
■「AIP呼吸法」について(ライフハッカー日本版)
また、youtuberのサラタメさんの動画でも紹介されていましたので添付しておきます
一人稽古に取り入れる
こんな情報を得つつ、私は一人稽古の「エア切り返し」と「エア追い込み面打ち」において次のことを意識して実践しました。
第一段階
■切り返しは一呼吸かつ、息を吐いているときはお腹を出しながら圧をかけ続ける
頭で理解しても胸を開きスッとした姿勢のままお腹に圧力をかけ続けながら切り返しをすることは、なかなかむずかしいものでした。
しかし、自分のタイミングでできる一人稽古のおかげで徐々にですが、自分が思い描いているような意識をもって行うことができました
第二段階
■一呼吸で息を吐き切れるだけ「切り返し」をし続ける
これは苦しかった!
息を吐き切ったと感じてからが勝負どころと思い、まさに「息も絶え絶え」になりながら「切り返し」を続けました。
第三段階
■第二段階の「切り返し」の後、短く吸い込みをし、そのまま連続して「切り返し」を行う
吐き切って終わらせるのではなく、引き続き「切り返し」打突を1~2回している間に息を吸い、またできるだけ長く吐き切るまで続ける
息を吸い込むことで少し楽になるのですが、「切り返し」はそのまま続けるので徐々に一呼吸が短くなっていき、苦しくなって終了となります。
これは地稽古の際などに継続して腹に圧力をかけ続けられるようにするための効果を狙った鍛錬でした。
これらは「切り返し」だけでなく「追い込み」の面打ちでも同様で行いました。
さてその効果はいかに・・・
おわりに
いよいよ私の通う稽古場も再開に向けて動き出しました。
安全性を高めるために多くの制限の中での稽古となりますが、ありがたいことです。
今後の状況次第ではまた活動中止の可能性もあるかとは思いますが、しっかりと対策を立てられていることも嬉しいかぎりです。
今回思案した一人稽古がどれほどの効果をもたらしてくれるかはわかりませんが、とても実りある日々だったと感じています。
余談ですが「構え」についてもかなり改善されました。
教えに沿いながら、身体の運用もしやすいものに固定化できたと思います。
それにしても、40をとうに過ぎたおっさんが近所の公園で蚊と戦いつつ、蒸し暑い中で「ひーひー」言いながら行う一人稽古は他者から見れば異様なものでしょうか。
ご近所の方々、一応不審者ではありませんのでお許しください…
今後の稽古がどのようになるかはわかりませんが、精進あるのみ!
ではまた!
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