皆さんこんばんは。一の太刀でございます。
本日は「剣道六段審査会(名古屋)」です。
先の2018年5月13日(日)に開催されました名古屋での六段審査会。
私はいよいよ初挑戦し、無事「合格」しました!
やったー!!
タイトルには自分から「祝」などと入れてしまい、失礼します…
それだけ嬉しかったということでお許しください。
結論から言ってしまいましたが、今回はこの六段審査会(名古屋)をつらつらと書いてみたいと思います。
六段審査への挑戦
昨年の秋ごろから漠然と意識し始めましたこの審査会。今年の春ごろからであろうと思い確認するとその通りとのことで、私はまず2017年の11月に開かれました「東京」審査会に見学に行きました。
先輩方から一度見に行っておいた方が良いと言われ、「流れ」や「自分と同年齢のレベル」などを確認するために見学し、ザックリとしたイメージはついていました。
しかし、事前に見てしまうとあれやこれやとできないことまで想像しながら緊張してしまい、あまり良い結果に結びつかないことが多い私としてはメリットとデメリット双方あるところ。
そのような中、前日から名古屋入りし英気を養いました。
名古屋市にて
19:00ごろに名古屋駅へ到着。
夕飯をどうしようかと悩みます。
楽しみにしていた「ひつまぶし」はこのタイミングか合格した時のご褒美としようか少々悩みましたが、駅で看板を見たときにはもう夕飯でいただこうと決めてしまいました。
ちょっとした贅沢。
有名どころの「まるや本店」さんにて土曜日の夜でしたが15分程度の行列からの待ちで店内へ入ることができました。
大変おいしくいただきました。もうこれを食したからには合格するしかありません。
名古屋現地に「前乗り」するのも一回目だけにしておこうと決めており「来年以降はないぞ」という簡単な「覚悟」としようと考えていました。
東京の友人は5時起きにて当日入り予定。
「東京~名古屋」の微妙な距離が悩ましい…
夕食後に街を散策し、ぶらぶらと歩きます。
しかし…これはいけなかった…土曜の夜の名古屋の街の活気にあてられて私も若い頃のように全力で楽しみたくなってしまいました。(変な意味ではありませぬ…)
それでもそこをグッと抑えて街歩きに終始。
皆さん「円頓寺」ってご存知ですか?
名古屋駅から歩いてもいける「円頓寺商店街」と周辺にある「古くとても趣のある街並み」をみにいったのですが、大変素敵な場所でした。
とくに古い建物を大変なモダンな街並みとして再生されており、個人的には好みの雰囲気を漂わすエリアでした。
前日の心持ちは
余談が多くなりましたが、前日は審査に対する想像はほとんどすることなく過ごしました。
自分のできることをやるのみ
その気持ちは試合に対する状態と同様です。
試合の心持ちを書いた記事はこちら

審査会当日

今回はほぼ写真を撮れず
会場受付が9:00~9:30
宿泊したホテル近くのバス停から一本で行けたのですが到着したのが8:28
ちょっと早すぎるかなと思ってましたが、とんでもない!!
現地に着くとすでに大勢の方々が道着へ着替え、思い思いの準備をしておりました!
聞くと、名古屋会場では車で来る場合、早いと5~6時ごろから駐車場が空くのをまっているとのこと。
車でなくとも1時間前などは普通のようで私はけっこう遅め到着の部類なのだということに驚かされました。
そんな中で受け付けし、東京で切磋琢磨している友人2名と審査会についての雑談をしながら待機しました。
また余談ですが、一緒にこの審査会に臨んだ友人の一人は以前ちょっと記事にしました大変美しく強い剣道をするセンスある方。
東京都での四段・五段審査をすべて同じ日に受け、ともに同時に合格したので、当然六段審査会も同じタイミングで受験資格をもらい、この日に至ります。
実力は彼の方が完全に上。
さすがにこの時は、このジェニオ(天才)が受かって私が落ちるという想像をしてしまいます。
自分ならやれる
そう思い込むことが私にとっては一番の良薬のように感じます。
その思いを胸に徐々に私の番が近づいてきました…
私の番号は「411-A」
午前中を二部構成にし、前半が終われば合格者発表。
その後に後半が始まります。私は前半の部で立ち合うことに。
ご存知かもしれませんが、この審査会では各番号の「A、B、C,D」の4名で対戦をまわします。
私は「A」ですのでこのグループの初めの立ち合い「A-B」
その後、「B-C」「C-D」
そして最後に「D-A」と一人2回立ち会うことになります。
立ち合い時間は約1分
この40代では一線級の方はおそらくいないはず。ビビる必要はありません。
いくぞー!
一人目 411ーB
先ずは「裂帛の気合い」で相手を圧倒することを第一とし
声の通りが悪いながらもこれでもかというくらいの「大声」と「伸び」で、こちらから声を出しながら相手よりも長く出し続けました。
よーし、とりあえずOK!
それではとこちらからジリジリと間合いを詰めて…裏から竹刀を払いながらの「面」!
タイミングはこちらの思う通り!しかし、打突部位には当たりません。「相面」状態。
あー、決まらんか
と思いつつ、得意の「下から小手」!!
打突部位はヒットするも、相手は微動だにしません(汗)
これを「動じていない」とみるか、「動けなかった」とみるかは審判員の先生のみぞ知るところ。
そこからまたもやこちらから先手を取りつつ「面」にいくもやはり「相面」でお互い打突部位には当たらず。
もうそろそろ相手も「小手」を打ってくるであろうと予測し、前に詰めながら「小手返し面」を狙おうとするも、相手はまたもや「面」にきました。
私はそれを竹刀でかわしきれず、こちらの打突部位をかすめられます。
イカーン!
その直後はススッと詰めて「下から小手」
しかし、相手も「小手」で「相小手」
ここは相手が詰めて「一足一刀の間合い」になる瞬間を狙ったいつもの「結果として出鼻面」を狙うしかないと思いつつも、この技は「攻め」という理合いに沿わず、「ただ打っただけ」とみられる、また「空振る」可能性もあるので少々躊躇するところがありました。
それが影響してか間合いの目測を誤ったか、またもや「相面」
すべての「面」はこちらのタイミングで打っているにもかかわらず、ひとつも「面」の打突部位をとらえることができません…
そして、「やめ」の合図…
お互いに礼をし、次の「D」の方との対戦を待ちながら、私は思いました。
「やっちまった」と…
有効打突となるようなものが「一つもなかった」のです!!
これはやばい…本当にまずい…
一瞬、なぜか前日に贅沢をして食べた美味しかった「ひつまぶし」を思い出しました。
贅沢しちまった!
贅沢したにもかかわらず落ちてしまうかも(泣)
そんな気持ちと「またこの審査会を受けなければいけないかもしれない」という思いも重なり、少々混乱状態。
半ベソ状態です(涙)
その様なか、一つだけ「踏ん切り」がついたことがありました。
二人目 411-D
「次はしょっぱなから「下から小手」で「出鼻小手」を狙おう」
初太刀は相手が「面」にくる可能性が高いことは皆が予想しているでしょう。
それでもなお、こちらも「面」にいこうという方は多いでしょう。
しかし、私には後がありません。
初太刀を「面」へのこだわりは捨てました。
私が4名の中で「A」だったことも幸いしました。私が「D」さんと立ち合うには2回待機がありました。
その間に少し思いを巡らす時間があったことで「次に向かう気持ち」ができたということです。
蹲踞から立ち上がりまたもや「裂帛の気合い」!!
相手の声をかき消す気持ちで気合いを入れます。
そして「試合と同様」のつもりでタイミングを見てスッと剣先を下げます。
するとつられて相手は予想通り「面」!
「もらった!」と思いながら「下から小手」を打ち、しっかり「出鼻小手」が決まりました。
しかしながら、次の「面」は変わらず「相面」で互いに打突部位をとらえられず。
続けてググッ攻めてみるも相手の動きが遅く「面」に跳びましたが、相手は「面返し胴」でした。
しかし、間合いが詰まっていたこともあり、その「返し胴」はおよそ有効打にはならないであろうもの。
「お次は私が」とこちらからジリジリと間合いを詰めながら相手の「面」を誘います。
すると相手は「面」
想定通りの「面返し胴」がうまく決まります。
ここまでくると「面」も決めたい
そう思いながら打ち込むもやはり打突部位には当たりません…
そして「やめ」の合図。
こちらから「仕掛ける」ことはできました。
有効打2本はとれました。
しかし、肝心の「面」が決まらん…そして一回目の立ち合いが…
実技終了後
私の実感は「これは落ちた…」
なにせ一回目の立ち合いでは有効打が一つもないのですから。
これは本当にまずい!!
それしか感じられません。
結果発表
悶々たる思いを抱きながら待機し、いよいよ合格者が貼り出される時間となります。
行ってみるとすでに人混みができております。
一縷の望みを抱いてその紙を見ました。
「411-A」
ありました!!
さすがにダメかと思っていたのでこれには興奮を覚えました!
やったー!
「日本剣道形」審査 1080
喜びもつかの間、合格者発表から早々に剣道形の審査会場へ誘導されます。
そしてすぐさま審査開始。
パートナーに挨拶し、7~8組が同時に立ち合います。
私の世代は順番的に真ん中あたり。受験番号は「1080」
若い世代から始まりました。
気になるところは先にやっている方々のものを観察し頭の中で復習できる時間がありました。
私は「仕太刀」
六本目と小太刀二本目に不安がありましたが、無難にこなすことができ
無事に合格…
長い半日でした。
こうして剣道六段の資格を持つことができました。
六段審査合格の「コツ」
「コツ」などと書きましたが、これまでお読みいただいたように私はラッキーで合格したようなもの。
幸運なことは良いことですが、しかし、それだけではない何かもあったはず。
個人的な分析としては
■立ち合いのほぼすべての「打突」は私から「仕掛けた」ことで良い機会で「打突」していた(理合いに沿っていた?)
■立ち合い始めを「裂帛の気合い」で圧倒する姿勢をみせた
■初太刀を決めた(二本目)
このあたりを審判の先生方はみてくれたのかなと考えます。
そうでなければ正直どこで良しとしてくれたかわかりませぬ…
この中では特に誰でもできる「裂帛の気合い」はとてもおススメします。
次の記事はその「裂帛の気合い」と先に出てきました私の友人(ジェニオ)について書いたものです。

また、始めて受ける方は事前にどんなものか見学したほうが良いかもしれません。私も勧められて昨年秋の東京の審査会を見学しました。
「未体験」のものへの「不安と緊張」は致し方ないこと。
それを和らげる効果など、メリットは間違いなくあります。
「東京審査会レポート」はこちら

着衣について

当日使用した道着
事前にとある方に言われました。
「できれば真新しい折り目のしっかりついた道着にした方が良いですよ」
私はだいぶ藍色が薄まったものしか持っていないのですが、いくつもあるので改めて買うのがもったいないと思い、自分でアイロンがけしていつも試合で着用している道着を持っていきました。
袴の折り目や胴紐がかかる部分がやや白茶けていますが全体的には「青」く見える程度のもの。
この結果、「道着」に関しては使い古した多少色落ちしたものでも、「だらしなくなければ」問題ないということがわかります。
おわりに
この名古屋の審査会に申込するにあたってスケジュールの都合上、参加できるか難しい状況でした。
ズボラな私はそのような中、申し込み締め切りギリギリで加盟区の事務局長にいろいろ相談しご迷惑をかけてしまいました。
しかも会費の延滞も発覚!早急に入金し平謝り…
ここで落ちたら申し訳が立たない状況でしたが、何とか事務局長のご恩にも報いることができたかどうか…
事務局長、ご尽力くださいまして誠にありがとうございました。
また、これまで稽古をつけてくださった先生方や皆様、そして試合で対戦した皆様にもお礼申し上げます。ありがとうございました。
四段からこの六段審査まで一緒に受けた友人(ジェニオ)も、無事合格しました。
さすがです。この方は若いころから真面目に剣道を続けていれば私など到底及びもしない高みに行っていたはず。
数年後に七段に挑戦できるタイミングがまた同じになれる「縁」を持ててうれしく思います。
その時も一緒に合格できるといいなと思う次第です。
よほど覚悟しないと私にとって七段は…
長文お読みいただきありがとうございました。
ではまた!
コメント
一の太刀さん、
こんにちは、つけ面です。
六段へのご昇段、おめでとうございます!
しかも、一発合格とは素晴らしいですね!
試合のみならず、審査での立会いについても冷静に振り返られているところも流石です。
ますます、ご自身の剣道に磨きをかけられますことをお祈りいたします。
私も昇段を目指して頑張ります!
つけ面さん
ありがとうございます!
立ち合い一人目が終わった時は本当に落ちると思いました!
初めての全国審査会なので通常通りの心持ちではありませんでしたが、
今思えば友人がいたことで雑談し、良い意味でいつも通りに近い状態で入れたような気もします。集中はしていました。
これからもがんばりたいのですが、もう半年近く週一の稽古もままならずとても苦しい思いです。
なんとか一人稽古も含めて時間を確保していきたいと思います!
よろしくお願いします。
一の太刀さん、こんばんは。
六段一発合格とは、本当に凄いですね。おめでとうございます!
一の太刀さんは、立会いで出した技、出された技をほとんど覚えていらっしゃるのですね~。それだけ平常心で立ち合われていたということなのでしょうね。
私は立ち合うだけで精一杯で、試合や審査で出した技はほとんど覚えていないのです(^_^.)
私はもうすぐ大会なのですが「裂帛の気合い」でやってみたいです!
はなずきんさん、こんばんは。
ありがとうございます!だいぶラッキーでしたけれども(汗)
審査会は約1分で、しかも六段は攻め合いをする時間も結構あるので打突機会も多くなく、覚えていました(笑)
しかし、試合の時は動画撮影していますので、基本的に動画を見て思い出しながら記事を書いています!
ただ、昔はがむしゃらなだけだったので試合で何をしていたかは、まったく覚えていませんでした(涙)
もうすぐ大会ですか!楽しみですね。
はなずきんさんの「情熱」があればきっと実りあるものになりますね!!
ご活躍お祈りしています!
「裂帛の気合い」はおススメです。
試合では気合いが長いとその間に相手が打ってくる場合もありますので、そこだけお気を付けください!
よろしくお願いします。