皆さんこんばんは。一の太刀でございます。
そろそろ梅雨の足音が聞こえてきそうな今日この頃ですね。
では剣道のお話です。本日は「前田康喜選手を勝手に分析する」です。
私の「独断と偏見にとんだ分析シリーズ」です。
前田康喜選手の剣道
前田選手を初めてみたのは鹿屋体育大学時代です。
全日本学生選手権団体戦にて前田選手が大将に座った鹿屋体育大学は見事優勝をしています。
しかし、失礼ながらそのころの前田選手はもちろん強烈に強いのはわかるのですが、なんというか非常に粗削りな印象で「身体能力のすごさ」を前面に押し出したような剣道にみえました。
とてつもなく強いんですよ。
「面」打ちなどは速すぎて相手も対応できないことが多く、無理な状況からも決めてしまう打突力もありました。
ただ、正直あまり印象的ではありませんでした。
ところが、大阪府警に奉職され、数年後にみた前田選手は「研ぎ澄まされた凄み」と「洗練された剣道」で、いかなる相手にも勝るものをもつ驚くべき選手へと変貌を遂げていました。
「なんだあの剣道は!!」
まず、強引さが減ったように感じます。
また、「構え」が崩れることもなく守りも剣先を相手の喉元につけて抑えるのを基本としながらそこまで手元を上げません。
その打突力は健在どころかより高まり、どのような打ち方もできる万能性を感じます。
第三者としてみている限り、常に圧力をかけながら、
そこでそんな「返し技」をだせるのか!?
というような技を繰り出してきたりで「身体能力」なのか「目の良さ」が理由なのかはわかりませんが、その鋭く速い打突で相手を仕留めてしまう。
「出鼻技」「返し技」も相当なものです。
相手としては前田選手からの打突が終わり、「今度はこちらから仕掛けようと思って攻めて打ったつもりが実は見事に誘われていた」なんて感じるシーンが多いのではないでしょうか。
とにかく攻撃力が高く、相手は相当なプレッシャーをかんじるのであろうと想像できます。
大阪府の特錬の稽古が大変「質」が良いのか皆さんとても強く、ここ数年の警察剣道界でも3年連続団体優勝するなど結果も凄いものがありますが、前田選手はポイントゲッターとして素晴らしい活躍をされていますね。
聞くところ「足」を使う稽古が多いとのことです。
得意技
どこからでも決定打が打てる
前田選手はその「身体能力」と「技術」の高さで多様な決め技を持っているようです。
■「出鼻面」
攻めの中からタイミングを見定めて打つ「出鼻面」は前田選手の身体能力を活かし鋭く、とても素早く相手を捕えます。
その速さは、相手が「面返し胴」を狙っても、その打突の速さに先に「面」を取られてしまうことを何度も見ることができるほど。
「気配がわかりにくい」ということもあるかもしれません。
■「小手」
「面の軌道からの小手」や「出鼻小手」「攻めて小手」
様々な「小手技」を決め技にしています。
2017年の全日本選手権の茨城の宮本選手戦は圧巻でした。
この「出鼻小手」と「出鼻面」で乗っていた宮本選手を圧倒。
結果もさることながらこの時のお二人の実力には差があるように見えました。
「半歩」左足を下げ、誘っての「出鼻技」
一本目は宮本選手としては前に詰めて「面」を誘い、想定通りに「面返し胴」を打っているので問題なかったはず。
しかし、前田選手の「面」があまりに速すぎて返しきれなかったというところでしょう。
まさしく先に書いた状況です。
二本目も宮本選手が「小手」を誘い「小手返し面」狙い。
そこを前田選手は「半歩」下がってから「小手」です。
宮本選手の狙い通りにきた「小手」ですが、一本取られていた焦りもあるでしょうが、見事に「小手」を打ち抜かれてしまいました。
強烈な印象を受けた試合でした。
分析(トップフォーム)
私がみている前田選手はこんな感じです。
面技:A
小手技:A
胴技:B
防御力:A
打突スピード:S
その他の技:B
身体的強さ:A
美しさ:B
攻めの圧力:A
精神力:B
得意技の必殺度:B
返し技:A
出鼻技:S
突き技:B
■代名詞となる得意技
「出鼻面」
「小手」
おわりに
この前田選手の剣道をどう表現したらよいのか…
誰が見ても強いとわかる剣道ながら、なんとなく特徴を伝えにくい
あえて言うなら攻めながら虎視眈々と相手のスキを伺う暗殺者のような剣道といった感じか。
他の強豪選手とは何かが違うような…
うーん、自分の感性、ボキャブラリーのなさが恨めしい…
このまま強くなっていけば、近い将来大きなタイトルを手にするのは間違いなさそうに思えます。
2018年現在、私はこの前田選手の剣道が気になって仕方ありません。
本当に強い選手です!!
いけー!前田選手!!
ではまた!
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