一の太刀でございます。
ご無沙汰しておりました。
2025年8月30日(土)に宮城県仙台市にて開かれた剣道七段審査会。
私は6度目の挑戦をし、「合格」をいただくことができました。
いやったー!!
六段合格時の記事と同様にタイトルには自分から「祝」などと入れてしまい失礼いたします。
しかし、今回はもう堂々と入れさせていただきます!
1度目の挑戦からこれまでの約1年3ヶ月、大変勉強になりました。
この度はこの七段審査会のことをつらつらと書きたいと思います。
七段への挑戦
初挑戦は2024年5月の名古屋から。
大変恐縮ではありますが、私は剣道の昇段審査に今まで落ちたことがなく、13年のブランクがあったおかげで年齢が上のカテゴリーでの立ち合いであったとはいえ、六段まではすべて1度目で合格していました。
私はこれまで幸運に恵まれていたと感じる一方で、今思うとこれがちょっとした自信にもなっていたような気もします。
この七段審査で初めて落ちるという経験をしましたが、ショックはなかなかのものでした。今までの剣道を全否定されたまでではなくとも近いような感覚でしょうか。
とはいえやるべきことを整理し挑んだ次の審査会。
以降2度目も3度目も落ち続け、こうなってきますと答えがどこにあるのかも疑うようになってまいりますね。
しかし私の場合はありがたいことに信頼する兄弟子いたこともあり、目指すべきところは4度目挑戦からブレることはありませんでした。
そして5度目の挑戦での教訓として得たことは、やはり私には「面」の有効打が必要であるということでした。
その上で6度目の挑戦です。
2025年8月30日 審査会当日
東京駅から仙台駅までは新幹線で約1時間3~40分程度。私は午後の部でしたので当日出発で現地へ乗り込みました。
お昼前に到着すると午前の部の方々の熱気が充満しているよう感じる会場でした。
イモ洗い状態ですが、どうにか座席&着替える場所を確保し、しばらくは座席から会場を眺めていました。
もはや緊張などありませんね。
8月はロクすっぽ稽古できていなかったので、やはり今までに練り上げていたものを出すしかないとの考えでした。
ひとつだけ
直近の稽古で面を打つ「機会」を意識し、なかなか手ごたえがあったので、これを信じようと考えました。
私の番号は「357-A」

開始から7グループ目といったところで、ほどなくして順番がきました。待ち時間が少なくも多くもない丁度よい番号だったと思います。
周知の通り、この審査会では各番号の「A、B、C,D」の4名で対戦をまわします。
私は「A」ですのでこのグループの初めの立ち合い「A-B」
その後、「B-C」「C-D」
そして最後に「D-A」と一人2回立ち会うことになります。
立ち合い時間は1分少々でしょうか。
自分の「面」打ちを信じるだけです。
自分のできること・やるべきこと
やるべきことは六段時と同様なのでしょうが
攻め入り、攻め崩し、誘い
そして「出鼻技」
特に「面」
相手をつかう
徹頭徹尾、攻める。
これができれば合格でしょう。
しかしながらこれらは1度目の挑戦時からわかってはいました。
実際の立ち合いでこれができるかどうかが合否の分かれ道。
「どう攻めるべきか」、そして「いつ打つべきか」
攻めについてのわかっていること
・中心を攻めるが常に中心をとってなくともよい
・左手は自身の中心から外してはいけない
・大きく中心から竹刀を外してはいけない
・大きく間を詰めることは雑になるのでよろしくない
・後退してはいけない
・気で攻め続ける
・「いくぞ!」よりも「さぁこい!」の意識
私はこれらのことを聞きました。
審査全般としてこれをやったら減点といったことは他にもあると思いますが、ここでは割愛します。
自分のできること
ただ、こうなると「竹刀操作」や「間の詰め方」などでできることは限られます。
きっと攻めの意識(気位)も大事なのでしょう。
これは今後も練り上げねばならない「攻め」の道です。
今の私にできることといえば・・・
「出鼻面」の打つべき機会です。
「自分が打つ準備ができているので打とう」や「お相手が動いた!」での打突では、きっと相面となり互いの打ちの潰し合いとなったり、後手になったりで終わってしまうでしょう。
「お相手が何かしてきた時(打突ではなく)」
これが一瞬の遅れをとらせる機会と考えました。
例えば「間を詰めてきた時」「竹刀で中心を取りに来た時」
この動作が雑であればあるほど、良い機会となり得るのではないだろうか。
極論ですのであくまでも一例として見ていただきたいのですが、昔書いた記事にある「出鼻面」の機会で間合いが違うノリです。
相手が打とうと思った瞬間を打つのが理想でしょうが、私の場合はそれが「待っている」につながりやすく、先生方によくご指導を受けました。
実践しようとしたものは「こちらの攻めでお相手がつられて面に出てしまうと信じて打ち込む面」です。
何かしてきたことで瞬間的な意識・判断を遅らせ、こちらから先に面を打つことで当然こちらが打ち勝つ
もちろんそのお相手が何かしてきた「何か」が誘いの可能性もあります。
どの間合いか、どこを打つのか、しっかりと攻めていたのか。
これらは勉強せねばなりません。
現時点ではお相手が入ってきて剣先がお相手の中結いに届く程度になった瞬間を意識しました。
これより間合いが詰まると誘いの可能性が高く、その手前であるとこちらの攻めがあまりにも足りない。
そう考えました。
さらにはそのための飛び込み面の打突力が必要ですが、これは審査に関係なくずっと練り上げてきましたから、
「いけるであろう」
そう信じるしかありません。
とにかく私としては攻めた上での「面」の有効打を取ることが最重要と考えていますので、この「打つべき機会」に迷いなく打てるかに賭けました。
一寸の攻め
神奈川の小林英雄範士八段がお教えくださっている「一寸の攻め」
私は兄弟子からこの「一寸の攻め」の重要性を学んできました。
「攻め」についてのひとつの答えかと考えます。
また、私が指導を受け注意が必要なこととして、一寸の攻めが早過ぎてあっという間に詰まってしまい、自分勝手で攻めになっていないということ。
遠間から一足一刀の間に入るまでが勝負です。
この「一寸の攻めから攻め続け、打つべき機会に自分を信じて面を打つ」ということが、少ないなかで現在の私にできることでした。
一人目 357ーB
前置きが大変長くなりましたが、立ち合いです。
いざ勝負!
やはり「裂帛の気合い」でお相手を飲み込む意識です。
お相手から先に声を出していただき、それにかぶせるように気合を発しました。
ここは良い感じ。
そして一寸の攻めで入り、お相手も攻めてきます。
ジリジリと詰まるお相手との間合い。
お相手も同様の動きでこちらに攻め入ってきます。
ジリジリとこられることで私は「面」を打つ機会を一度逸した気分になりました。
しかし、だからと言ってそのままではありません。その直後に思い切って「面」を打ちます!
するとやはりお相手も「面」!
互いが打突部位をとらえきれません。
ここから先は記憶が残るシーンだけの解説ですが、
同様の流れの中で私は「面」を打ち、お相手に「返し胴」を打たれます。
その直後に次はお相手が「面」に来るだろうと予測して誘って「返し胴」を狙いますが、お相手はその誘いに「小手」でした。私は無理やり「返し胴」を打ち切ります。
「絶対に「面」を一本取る」
この気持ちの中でも攻めを忘れないように意識し、機会と感じたところで「面」を打ちます。
お相手の遅れて合わせたような「小手」は入らず
私の打突は残念ながら打突部位に軽く触れる程度でした。
しかし機会は良かったのではないでしょうか。
互いが攻め入り間合いが中間(ちゅうま)から近間となり、竹刀で捌きながら仕切り直し。
そして最後のやり取りは、上記同様に私が誘って「面返し胴」を決めきれたタイミングで「やめ」の合図でした。
その時の感情としては・・・
今までの七段審査で立ち会った方の中で1~2の強さを持った方ではなかったろうか。
お相手に攻められた気分が残り、礼の後は「こりゃ~、また厳しいかな・・・」と思いました。
これまでの挑戦した立ち合いの中でも内容としては似たようなものがいくつかありましたからね。
二人目 357ーD
Aという立場上、二人目の立ち合いまでありがたいことに少し時間があります。
その中で改めて「今の自分を信じるしかない。迷ってはいけない。」そう自分に言い聞かせました。
そして立ち合い開始!
直後は同様に裂帛の気合から一寸の攻め。
そして剣先のやり取りから良い具合にお相手が入ったところを「面」!
これがお相手の面に入りました!
会心の一撃でした!
お相手の反応としては、やはり遅れて合わせたような「小手」でした。
ここからも記憶が残るシーンのみの解説です。
初太刀の際の攻めもいわゆる「拳攻め」でしたが、引き続きそれを実践。
相気になったところで「下から小手」で「出鼻小手」が決まりました!
これも会心の一撃!
ここにきて小林先生の言うところの「身体が勝手に仕事をしてくれる」ような無意識の技が出ました!
しかし、私が竹刀操作でお相手の竹刀を押さえ「面」に飛ぶと見事な「出鼻小手」を頂戴します。
その後、初太刀とまったく同様の展開で「面」が入りました。
お相手の「面」に対して「面返し面」を打つも打突部位には届かず。
「面」2本と「小手」1本で有効と思われる打突ができ、予想以上の内容で終了することができました。
その際の心持ちは・・・
「これはうまくいったよね!?」
「一人目の立ち合いを審査員の先生方がどう見たのだろうか・・・」
どこかで「一人目が大事。さらに初太刀が大事。二人目はまとめ」と聞いていたので、私の内容からすると「アウトかな(涙)」とも考えました。
「たのむ!二人目の立ち合いを評価してくーださいっ!!」
結果発表
壁に貼りだされた合格者番号記載用紙。
ゆるりとその場に行きました。
「どうかな~?」
357-A
ありました!!
やったー!!という気持ちと安堵感に包まれました。
そして357-Dも記載がありました!
予想していたBの方の番号はありませんでした。

「日本剣道形」審査 1080
合格者発表から早々に剣道形の審査会場へ誘導されます。
そしてすぐさま審査開始。
パートナーは二人目に立ち合いしたDの方。
ご縁ですね!
7~8組が同時に立ち合います。
私は3グループ目
受験番号は「1080」
前回の六段時同様に気になるところは先にやっている方々のものを観察し頭の中で復習できる時間があるだろうと思っていましたが、待っている間は柔道場、そして形をするのは隣の剣道場、つまり別のフロアとなり、先のグループの方が行っているところは見えません(汗)
私は「仕太刀」
結果、小太刀二本目の下段構え時にバランス崩してブレた点、そして三本目の発声時にその発声をしなかったという失態でしたが、無事に合格…助かります…
こうしてようやく七段をいただくことができました。
過去の立ち合い
動画撮影に関して私の場合は三脚を立てて撮影しっぱなしの方法を取っておりました。
実は今回も撮影してはいたのですが、私の前のグループの途中でsdカードの録画容量がいっぱいとなってしまい切れてしまったため、撮影できませんでした(泣)
ただ、不合格であった過去直近2回は撮影していたので、今後七段審査を受ける予定のある方にとって、もし参考になるようであれば見てみてください。
2025年5月 愛知県名古屋市
左が私です。
まず一人目も二人目も初太刀から逃げていたと感じます。
有効打をということで「面」を捨て「返し胴」狙いです。
私は5度合計10の立ち合いでそれぞれあるタイミングで「面返し胴」を決めています。しかしながら不合格。これは攻めがないと判断されているかもしれませんが、基本的にこの技だけでは合格は難しいと感じます。
とある稽古後の挨拶で八段の先生が同門の先輩にあたる七段の方に言っていました。
「先輩!やはり出鼻面ですよ!」
これを聞いて益々私は「面技」がとにかく重要であると考えました。
ある方は攻めて攻めて攻め続け、打突は1本「面」のみで合格したそうです。
もちろん出鼻技は「面」だけではありません。「出鼻小手」でも良いかもしれません。
しかし、「面」「攻め」これが最も重要ではないでしょうか。
この動画の立ち合いで「面技」をきれいに決めたものはありませんでした。
二人目の立ち合いでは「下から小手」がきれいに決まったと感じましたが、やはり「攻め」が足りないのかどうなのか。
2025年2月 山梨県甲府市
右(手前)が私です。
一人目初太刀は「面」でしたが、面金にぎりぎり届いたかどうかといった具合
「攻め」も足りないように感じます。
いくつかの中途半端な打突とお相手の早めに打ちにくるタイミングに「攻め」が抜け、やはり合わせてしまっているように感じますね。
最後の「面」も軽過ぎました。
しかし問題は二人目です。
長身の方だったこともあり、つい「小手技」中心に打突をしてしまいました。これはいけません。
「面」も打ちましたが、機会も精度も微妙ですね。
おわりに
段位取得を最終目標としているわけではありませんが、やはり七段合格は嬉しく思います。
普段は適当で物事をあまり深く考え込むタチではないのですが、そんな私でも段位について色々思い考えた一年ちょっとでした。
個人的には成長に繋がるものであったと感じます。安易にすぐ合格しなかったことで、考えるきっかけになりました。
結果、良い経験をいたしました。
しかし七段だからと言って別段強くなったわけでもありません。
これからも勉強が必要です。
特に攻めについては益々勉強せねばなりませんね。
改めまして、これまで稽古をつけてくださった先生方や皆様、そして試合で対戦した皆様にもお礼申し上げます。
ありがとうございました。
特に七段審査に向けてご指導くださった兄弟子と他兄弟弟子の皆様には深く感謝しております。
約20年ほど前、剣道を再開した時には七段への昇段など思いもしませんでした。
私などは剣道を学んでいなければどんな人生だったでしょうか。
今頃はきっと世をすねて生きていたに違いありません。
ありがたいことです。
さて、次は八段ですね!
は!?
ば、ばんなそかな!
大変失礼しました。
ではまた!



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