一の太刀でございます。
「リバ剣(リバイバル剣士)」として稽古することはや約20年。
過去の自分を思い出すと、よく復帰したなと思います。まだ30歳と比較的若い年齢でしたが当時は13年のブランクがあることが本当に長い時間と感じるものでした。
始める際はやはり緊張したものです。
復帰当初は「足がついてこない」ともだえつつも、やっぱり竹刀を手放せない理由が剣道にはあると感じました。
そんなリバ剣として復帰したばかりの皆さんの参考になればという記事となります。
10年ぶりの道場。覚悟していたはずなのに……襲いかかる「現実」
「よーし、久しぶりに汗を流して、心も身体もリフレッシュするぞ!」
そんな晴れやかな決意を胸に、10年、あるいは20年ぶりに防具袋を担ぎ直した皆さん。まずは、再びその一歩を踏み出したご自身に、心からの拍手を送りましょう!
……ですが、ちょっと胸に手を当てて思い出してみてください。 復帰初日の稽古、あるいは再開を思い立った日の出来事を。
押し入れの奥から引っ張り出してきた防具袋のチャックを開けた瞬間、部屋中に広がる「あの懐かしい匂い」。
頭の中で完璧に描いていた、学生時代の鋭い踏み込みと颯爽とした面打ち。
そして、実際に竹刀を振った瞬間に訪れる「あれ……? 体が重い……?」という一抹の不安。
大人のリバ剣の再スタートは、「甘美な思い出」と「容赦ない現実」の強烈なギャップから始まる方が多いようです。
数年のブランクを経て剣道を再開した大人たちが必ず通る「あるある」を書いてみたいと思います。
あるある①:稽古翌日、階段を下りる足が「生まれたての小鹿」になる
稽古を無事に(なんとか)終えた当夜。
「いやぁ、やっぱり剣道は良い汗が流せるな! 体は重いけど、案外動けたんじゃない?」なんて、ちょっと誇らしい気持ちでビールを飲んだりしますよね。
本当の試練が訪れるのは、翌朝です。
目が覚めた瞬間、全身を包む謎の重圧感。「あれ? 布団が鉛でできているのかな?」と思うほどの身体の重さです。そして、布団から立ち上がろうとした瞬間に確信します。
「あ、これ、やばいやつだ……」
特にダメージを受けるのが、ふくらはぎ、アキレス腱の周辺、膝上の太もも、そしてお尻の筋肉などでしょうか。それと前腕部もですかね。
- 階段を下りるときの絶望感: 手すりなしでは一歩も下りられない。一段降りるたびに「ウッ……」と漏れ出る声。職場や駅の階段で、自分だけが明らかに異様なスピードで手すりにしがみついている。
- パソコンのキーボードを叩く腕のダルさ: 打突で使い果たした前腕と肩が悲鳴を上げ、「Enterキー」を強く叩く気力すら起きない。
- 左足の裏にできた懐かしい皮のめくれ: 「痛たた……」と言いつつ、ちょっと誇らしくもある勲章。
全身の筋肉が「おいおい、聞いてないぞ!」と大合唱しているような状態。
しかし、不思議なことに、この強烈な筋肉痛を感じながら「ああ、自分はまた剣道の世界に戻ってきたんだな」と、どこかニヤニヤしてしまう方おりませんか?
あるある②:脳内イメージ(学生時代)と現実(大人)の切ないギャップ
リバ剣の皆さんが稽古中に一番戸惑うこと。
それは「脳内の自分」と「実際の自分」の間に存在する、光の速さレベルのタイムラグです。
学生時代の記憶というのは、本当に鮮明で美しく保存されているものですよね。
相手が手元を上げた瞬間、「今だ!」と飛び込むイメージは頭の中で完璧に出来上がっています。
ところが、実際の現場ではこのようなドラマが繰り広げられます。
【脳内の司令】「相手の隙発見! いけっ、一歩跳んで面だ!!」
↓(伝達ラグ:約0.5秒)
【身体の反応】「え……? あ、はい……(ズルッ)」
↓
【結果】イメージの半分も足が前に出ておらず、不発のまま相手の目の前でストップ。
相手の面に届くどころか、間合いの途中で足がストップしてしまい、「す、すみません……」と苦笑い。 あるいは、面を打ったあとの送り足がうまくできず、自分の足に引っかかってつんのめってしまうことも。
さらに切ないのが、息切れの速さです。 面をつけて10分も経たないうちに、面金の中は自分の激しい息で温風サウナ状態。
「ハァ……ハァ……」という荒い息遣いが面の中にこだまし、先生にお願いした終わりの「最後切り返し!」という声を聞くたびに、心の中で「嘘でしょ……?」と呟いてしまいます。
でも、稽古後に先生から「力みが抜けていて、とても良い竹刀の振りでしたよ!」なんて褒められたりもするんですよね。
心の中で(先生……これ、力を抜いているんじゃなくて、体力が無さすぎて力が入らないだけなんです……)と呟いたことのある方も、きっと多いはずです。
あるある③:道具の「匂い」と、最新防具の進化への大感動
リバ剣を語る上で、切っても切り離せないのが道具の「匂い」の問題ですよね。
久しぶりに開けた防具袋。あの、汗と藍染めの匂い、汗と鹿革が混ざり合った、剣道経験者にしか伝わらない「独特の芳香」。結局は汗!!
「うわぁ、懐かしい!……けど、やっぱりちょっと臭いかも(笑)」と、ノスタルジーと苦笑いが交差する瞬間です。
昔の面の匂いを嗅ぐと、過酷だった夏の合宿や遠征の記憶が一瞬でフラッシュバックして、胸がキュッとなることもありますよね。
ですが、ここで長年のブランクがあるリバ剣の皆さんに、とっても嬉しい朗報があります。それは「現代の剣道具の技術革新」です!
私たち(80~90年代か?)が学生だった頃を思い出してみてください。 ゴワゴワして重い綿の二重道着、汗を吸うと鈍器のように重くなる袴。
そして絶対に洗ってはいけない(洗うとカチカチになる)甲手……。
ところが、今の剣道界は本当に進化しています!
- 洗えるジャージ道着・袴: とっても軽くてすぐ乾きます! 稽古後にそのまま洗濯機へポンと入れられる感動。
- 洗える甲手: 汗をかいても丸洗いが可能です! あの恐怖の「甲手の手のひら臭」から解放されます。
- 衝撃吸収サポーター: アキレス腱や足裏をやさしく守ってくれる、頼もしいサポーターがたくさんあります。
現代の快適な道具に触れた瞬間、リバ剣の99%が「もっと早く教えてほしかった〜!」と感動します。
道具の進化のおかげで、お手入れのストレスは劇的に減り、大人の剣道ライフは昔よりもずっと快適で楽しいものになっているのですね。
例えば次のバナーの大手武道具店では私もお世話になっていますが、多様な品揃えがあり、きっと好みのものが見つかると思います。
私がこちらから購入した商品の記事を次に載せておきますので、参考程度に閲覧ください。
■この小手もよかったです!


■今でもこちらの道着を愛用しています

また、別の武道具店ですが防具を購入した際の記事です。
■今も後継商品がでているこちらの防具も現在使用中!

■春日武道具さんの対応はいつも素早い!

「足がついてこない」のになぜ? 私たちが竹刀を手放せない4つの理由
ここまで「筋肉痛がつらい」「身体が動かない」「昔の防具が……」と、あるあるを並べてきました。
普通なら「そんな大変な思いをするなら、やめておこうかな」となってもおかしくないですよね。それなのに、なぜ私たちは、次の週末になるとまたいそいそと防具袋を担いで道場へ向かってしまうのでしょうか?
「足がついてこない〜!」ともだえつつも、やっぱり竹刀を手放せないのには、大人になった今だからこそ分かる最高の理由があるからです。
1. 頭の中の雑念が100%吹き飛ぶ「究極のスッキリ感」
お仕事ではさまざまな責任を負い、ご家庭でも忙しい毎日。私たちの頭の中は、常に「明日の仕事の準備はどうしよう」「あの件はどうなったかな」と、たくさんの悩みでいっぱいです。
ですが、防具をつけて相手と相対した瞬間、それらの悩みはすーっと消えてなくなります。 目の前の竹刀をどう捌くか、相手の隙をどう捉えるか。「今、この瞬間」だけに全集中せざるを得ないからです。
稽古を終えて面を外したとき、頭の中がまるで綺麗にリセットされたように「すっきりクリア」になっている感覚。この爽快感は、日常ではなかなか味わえない極上のリフレッシュになりますよ。
2. たまに出る「奇跡の一本」が嬉しい!
稽古中、100回打って99回はドタバタな不発だったとしても、ごくたまに、奇跡が起きることがあります。
無心で踏み込んだ足と、振った竹刀と、お腹からの発声が「パンッ!!!」と完璧に一致する瞬間。 相手の面に吸い込まれるように決まり、快音が道場に響き渡ります。
そのたった「一回の一本」の手応えが手のひらに残ると、もうダメですね。
すっかり剣道の魅力に引き戻されます。
「あの感覚をもう一度味わいたいな」という喜びが、筋肉痛の辛さをあっさり上回ってしまうのです。
3. 稽古後の水やビールが人生最高に美味しく感じる
汗をたっぷり流し、全身の力を使い果たしたあとに飲む水分。
これがもう、言葉にならないほど美味しいですよね!
学生時代は「稽古中の水分補給はがまん!」という厳しい時代を経験した世代だからこそ、しっかり水分を取りながら汗を流したあとの一杯は格別です。
「今日この一杯のために、頑張って面を打ちにきたんだなぁ」と、しみじみ幸福感に浸ることができます。
私の場合ですが、子供時代の稽古後は必ず道場前にあった水道水を飲んでいました。
この「普通の水道水」がこれまでの人生でも最も「美味しい!」飲み物でした。あまりのおいしさにガブガブと永遠に飲めるのではないかと思うほどに飲み続けたものでした。
喉が渇き切った際はたまりません!
4. 「上手く動けない自分」もやさしく許せる大人になれたから
学生時代の剣道は「勝たなきゃ意味がない」「格好悪いところは見せられない」というプライドとの戦いでもありました。
でも、大人のリバ剣は違います。 足がもつれてしまっても、「いやぁ、全然足が動かないですね!」と周りの先生や仲間と笑顔で笑い合えますね。
打たれても、「参りました! 今の見事な面でした!」と相手を素直に称えることもできます。
自分の衰えを素直に受け入れながら、それでも一生懸命に竹刀を振る。 大人になったからこそ、勝ち負けを超えた「剣道そのものの楽しさ」を純粋に味わえるようになったのですね。
しかしながら私の場合はそれでも長らく「とにかく打突部位に当てたい!かっこよく飛び込み面を決めたい!」という邪念から己を解放できません・・・そんな一面もよいのではとも思えます。
完璧じゃなくて全然OK!「もがきながら竹刀を振る大人」は、とっても素敵です
復帰したばかりの頃は、昔のイメージとのギャップに落ち込んだり、翌日の猛烈な筋肉痛に頭を抱えたりすることが何度もあるかもしれません。
「こんなに動けないなら、やらない方がいいのかな……」 そんな思いが頭をよぎることもあるかと思います。
でも、どうか安心してくださいね。
昔のように素早く完璧に動けることだけが、剣道の価値ではありません。
お仕事やご家庭で忙しい毎日の中で時間を作り、重い防具袋を担いで道場に通う。
思うように動かない身体にモヤモヤしながらも、汗を流して一生懸命に竹刀を振る。
その姿は決して格好悪いものではありません。むしろ、日常の責任を果たしながらご自身の心身と丁寧に向き合い続ける、とっても素敵な大人の姿です。
筋肉痛は、あなたが「今日を全力で生きたあかし」。
面の匂いは、あなたが「日常を離れて自分と向き合ったあかし」です。
焦らず、無理をせず、昔の自分と比べすぎずに。
「今日も足が動かなかったなぁ!」と笑顔で笑い飛ばしながら、細く長く、大人の剣道を楽しんでいきましょうね。
さあ、次の週末も、心地よい汗を流しに道場へ出かけてみませんか?
剣道最高
ではまた!

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