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勝敗を超えた大人の剣道 リバ剣がたどり着く心の整え方

剣道

一の太刀でございます。

大変ご無沙汰しております。久しぶりに試合以外の記事となります。

試合は楽しいです。

しかし剣道の奥深さを改めて考えますと、勝ち負けだけではない魅力が一方にあることがわかります。

私は高校2年生の初めに剣道部を退部し、その後30歳から再開し、そこから約20年稽古を続けている、いわゆる「リバ剣」

■私が剣道部を退部したエピソード記事はこちら

良き指導者とは 「剣道部」と「暴力・体罰・しごき」
皆さんこんばんは。一の太刀でございます。先日の全日本剣道選手権は観ていて興奮しました。なんとなく自分も強くなった感じがして次の稽古に挑めそうです。(気のせいですけど)では本題の剣道のお話です。本日は「剣道と暴力等」についてです。デリケートなお話…

その経験から、これから剣道を再開してみようかと考えている皆様へ、自身が感じることをツラツラと書いてみたいと思います。

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現代社会人が抱える「脳の疲労」と、リバ剣という選択

朝から晩までパソコンやスマホに向き合い、ひっきりなしに届くメールや通知に対応する毎日。

仕事では成果を求められ、家庭では親やパートナーとしての役割をしっかり果たす――。

私たち現代の社会人は、起きている時間の大半で頭をフル回転させており、知らず知らずのうちに「脳の疲労」やストレスを溜め込んでしまいがちですよね。

休日に身体を休めているつもりでも、ふとした瞬間に仕事の懸念事項や将来の不安が頭をよぎり、「なんだか気持ちが休まらないな…」と感じることはありませんか?

十数年〜数十年のブランクを経て再び竹刀を握る社会人――私と同じく「リバ剣(リバイバル剣士)」が多いことを実感しています。

小・中・高校や大学の頃、汗を流した剣道の記憶。

当時は厳しい稽古や試合の勝ち負けに必死で、余裕なんてなかったかもしれません。

ですが、大人になった今、改めて防具を身に着けて道場に立ってみると、昔とはまったく違う心地よさに気づかされる方が多くおるようです。

その心地よさとは、「剣道は最高のストレス解消になり、乱れた心をやさしく整えてくれるマインドフルネスになる」という。

かつて経験したあの苦しかった稽古が、なぜ大人となった今のメンタルケアとして素晴らしい効果を発揮してくれるのか。

勝敗のプレッシャーから解き放たれた「大人の剣道」の魅力と、心の整え方について私なりにご案内していきたいと思います。

なぜ竹刀を振るとストレスが消えるの?「動的瞑想」としての剣道

昨今は忙しいビジネスパーソンの間で「マインドフルネス(瞑想)」がとても注目されていますよね。

瞑想とは、過去の後悔や未来への不安から離れて、「今、この瞬間」に意識を向け、疲れた脳を休息させるアプローチです。

ただ、静かな部屋で目を閉じて「さあ、瞑想しよう」と思っても、頭の中にいろいろな雑念が浮かんできてしまって、うまく集中できないことも多いのではないでしょうか。

そこで身体を動かしながら集中状態を作っていく「動的瞑想」としての剣道の稽古です。

1. 雑念が入る隙すらない「一瞬の攻防」

稽古で相手と向き合い、間合いに入った瞬間、仕事の心配や日常の悩みを考えている余裕は一秒もありません。ほんの少し気を抜くだけで、相手の竹刀が飛んでくるからです。

  • 完全に「今」へ没入できる: 相手の目を見つめ、竹刀の交わりを感じ、打ち込むタイミングを伺う。
  • 思考の強制リセット: 心地よい緊張感によって、頭の中の雑念が瞬時に吹き飛び、意識が「今、ここ」だけに集中します。

さらにこの「雑念がすーっと消え去る瞬間」こそが、働き詰めの脳にとって何よりの休息になります。

2. 声を出し、息を吐ききる「呼吸法」の効果

剣道では、お腹の底(丹田)から「メーン!」「ドー!」と大きな声を出して打ち込みます。普段の生活で大声を出す機会は滅多にありませんから、これだけでも最高のストレス発散になりますよね。

実際私も稽古後は家族に「すっきりした顔をしている」と言われることが多々あります。

「一人だけストレス発散してずるい!」と・・・

さらに、声をしっかり出し切ると、そのあとは自然と深い息を吸い込むことになり、意識しなくても質の良い腹式呼吸が行われるとのこと。

息をしっかり吐き出す呼吸は、副交感神経を優位にして自律神経のバランスを整えてくれるため、気持ちを落ち着かせる効果も抜群です。

現役時代と何が違う?「勝ち負け」を手放した大人の稽古

学生時代の剣道と、大人になってから再開する剣道の一番の違いは、「勝利へのこだわり」を手放せることです。

学生の頃は、試合で勝つことやレギュラーに入ること、相手より多く面を奪うことが何より大切でした。そのため、姿勢が少し崩れても無理に当てにいったり、結果に一喜一憂したりしていたかもしれません。

もちろん大人でも試合では勝ちたい気持ちがでますが、リバ剣ライフでは、目指すゴールが基本的に変わります。

観点学生時代の剣道大人(リバ剣)の剣道
一番の目的試合での勝利、大会での実績心身の健康、自己探求、気分のリフレッシュ、昇段
大切にするポイントスピード、スタミナ、打突の数正しい姿勢、美しいフォーム、間合いの駆け引き、攻め
相手への意識倒すべき「ライバル」の部分も共に稽古に励む「感謝すべきお相手」
自分への評価軸他者との比較(勝ち・負け)自分との対話(以前の自分より整っているか)

大人になった今、無理に相手を打ち負かす必要はありません。

  • 背筋をすっと伸ばし、足さばきを丁寧に整える
  • 余計な力みを抜いて、素直な一本を打つ
  • 打たれたときは「自分の隙を教えてくれてありがとう」と感謝する

「打って反省、打たれて感謝」という剣道の教えは、人生経験を重ねた大人にこそ深く響くものがありますね。

勝ち負けという結果に囚われず、稽古そのものを楽しむ姿勢が、きっと心に豊かなゆとりを生み出してくれるでしょう。

稽古着を纏い、道場に立つ――日常から離れた「サードプレイス」

私たち社会人には、いろいろな「顔」がありますよね。

職場の肩書、家庭での父親・母親としての役割、地域での立場など、いつも何かしらの責任を背負って過ごしています。

そんな日常からふっと離れられる「サードプレイス(第3の居場所)」として、道場はまさにぴったりの空間です。

【日常の世界】               【道場というサードプレイス】
職場や家庭での役割      ⇒      一人の「剣士」としての自分
成果・責任・人間関係    ⇒      礼節・静寂・自己との対話

心のスイッチが切り替わるルーティン

道場に着き、袴(はかま)を穿き、防具を着ける。

この準備のプロセスひとつひとつは、日常から武道の世界へと心を切り替える大切な儀式になり得ます。

  1. 道場への一礼: 「よろしくお願いします」の気持ちを込め、空間に敬意を、神棚には感謝を表して一礼する。
  2. 防具を装着する静寂: 面紐を結び、面金をとおして外を眺めた瞬間、周囲の雑音がすっと遠のいていく。久しぶりに面をつける際には違和感がすごいと思いますが、かつて見た景色が再びよみがえりますよ!
  3. 黙想の時間: 稽古の前後に心を静かに鎮め、自分の内面とやさしく向き合う。

防具を身に着けてしまえば、会社での役職も年齢も関係ありません。

みんな同じ「剣道を愛する仲間」としてそこに存在します。

このフラットで潔い空間が、日々の疲れをやさしく解きほぐしてくれますよ。

忙しい社会人が「心の整え」として無理なく続けるコツ

久しぶりに剣道を再開するとき、一番気になるのは「時間のつくり方」や「体力・怪我への不安」ですよね。

「昔のように動けなかったらどうしよう」「怪我をして仕事に影響が出たら困るな」と不安になるのは当然のことです。

心を整えるために始めたのに、無理をして体を壊してしまっては元も子もありません。

大人のリバ剣が、細く長く楽しむためのコツをご紹介しますね。

1. 週1回、あるいは月2回からゆったり始める

最初から「毎週必ず稽古に行くぞ!」と意気込む必要はありません。

お仕事やご家庭の都合に合わせて、月1〜2回の参加でも十分にリフレッシュ効果があります。

「定期的に心をリセットする時間を作る」こと自体が大切なのです。

もちろん可能なのであれば週数回でも素敵ですが、身体と都合にあった回数がよいのではないでしょうか。

2. 「6~7割くらいの力」で心地よく

学生のときのようなハードな稽古を目指す必要はありません。

今の自分の体調と相談しながら、基本打ちを中心に丁寧な稽古を心がけましょう。

  • 息が上がったら無理をせず列を譲り、しっかり呼吸を整える
  • 立ち切り稽古などの無理な追い込みは避ける
  • 準備運動とアキレス腱のストレッチは、時間をかけて特に入念に行う

怪我を防ぎ、笑顔で帰宅することが何よりの優先事項です。

とにかく怪我がないことが一番です!

3. 最新の軽くて扱いやすい防具を活用する

「防具って重くて手入れが大変そう…」と思われているなら、今の剣道具の進化に驚かれるかもしれません。

  • 洗濯機で手軽に洗えるジャージ素材の道着・袴
  • 通気性がよくて軽く、柔らかい最新の防具や甲手(小手)
  • 衝撃を和らげてくれる足底サポーター

扱いやすい道具をうまく取り入れることで、手入れの負担や身体へのストレスをぐっと減らすことができますよ。

竹刀を振る一瞬が、あなたの毎日をより豊かに彩ります

稽古を終えて防具を外し、深呼吸をしたときの解放感。

汗を流して道場を出たとき、顔にあたる夜風の心地よさ――。

きっと、体と一緒に頭の中もすっきりと洗われて、稽古前には重く感じていた悩みも「さて、明日からまたがんばろうかな」と前向きに捉えられるようになっているはずです。

剣道は、ただの運動ではありません。

竹刀という一本の竹を通して自分自身と対話し、乱れた感情を整えて、また元気に日常へと戻っていくための「人生の調整ツール」になり得るものです。

剣道は、「己との対話」と聞いたこともあります。

もし押し入れの奥に眠っている防具があったり、近所の道場の前を通って気になっていたりするなら、ぜひ小さな一歩を踏み出してみてください!

勝ち負けに縛られない「大人の剣道」が、あなたの毎日に静かな情熱と、心地よい癒やしをもたらしてくれますように。

ではまた!

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