試合に勝つために!勝負師の真理を探る 【伊保清次範士八段の妙味】

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皆さんこんばんは。一の太刀でございます。

私ごとですが、剣道を30の歳に再開してから、「どうしても試合に勝ちたい」その気持ちがなかなか実に結ばず、(実力がないのですから、今思うと当然なのですが…)なんとかならないかと、様々な剣道本を読み漁りました。

稽古ではそれなりに面を打っているのに、試合ではそれを決められない。

それはこちらが決める前に、たまたま先に打たれてしまっただけなのか。

はたまた、そもそも初めから決められるような精度の技ではないのか。

それすらもわからずに、ただ試合前には極度の緊張状態におちいる日々でした。

実力を出し切るためには「緊張しないこと」だと思い、一流剣士はどのように試合に臨んでいるのか、緊張しないのか、などを模索し、この書に出会いました。

初めに緊張しなくなる記事はこちら

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「剣道必勝講座 実戦に弱いのはなぜか 」 伊保清次範士八段

著者である伊保清次範士八段は以前からなんどかお話にあげている剣豪です。

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その「豪快」かつ「繊細」な剣道で、数多の試合に勝ち続け、41歳にして全日本剣道選手権でも優勝した名手であります。

伊保先生がつちかってきた、稽古や試合への「気構え」を幅広い知識から様々な角度で教えてくださっています。

第一章 構えと手の内

本書では読者とともにこの姿勢に立って考え、技術的・精神的な問題を解消していきたい。

剣道必勝講座 実戦に弱いのはなぜか 引用

この章では「中段の構え」への確認すべき内容を説かれています。

手の内の難しさをどう解消するかなどのヒントが書かれており、自身の構えに吟味する機会を与えてくれます。

実戦に弱いのは生まれつきの性格とあきらめるには早すぎる!!

第二章 自分の間合い

「自分の得意な打ち間」すなわち「自分の間合い」を何かの理由で見失ってしまうことがしばしばおこる。

剣道必勝講座 実戦に弱いのはなぜか 引用

心理面から技術面まで「間合い」についての章。

自分に近い間合いとはなにか。

自分に近く相手に遠い間合いを考える章です。

第三章 攻守のバランス感覚

すなわち、懸る時にも待つ気持ちを存し、待つ時にも懸る気持ちを忘れてはならない。

懸待一致、攻防不岐のおしえである。

剣道必勝講座 実戦に弱いのはなぜか 引用

「懸中待、待中懸」の教えを解説。

そして「勘」を養うことも推奨するものです。

古典や将棋から学び、わかりやすく解説してくれています。

第四章 打突のタイミング

打突のタイミングが10分の1秒ずれても、その攻撃は成功しない。成功しないということは、同時に敵の反撃を受けるということを意味している。

剣道必勝講座 実戦に弱いのはなぜか 引用

「捨てて打つ」「四病の驚・懼・疑・惑」など、ずれてしまう要因を探ります。

己に勝つ!

第五章 実戦的な技

基本打突の練習が大切であることは、誰にでもわかっている。だからこそ、日頃の1時間半なり2時間の稽古の中から貴重な時間を割愛して、20~30分間を基本打突の稽古に充てているところが多いのである。

その意図は正しいし、間違ってはいない。しかし、問題は習う側にある。

剣道必勝講座 実戦に弱いのはなぜか 引用

基本打突は準備体操ではない。

迫力ある面打ちの出し方や常に実戦を想定して稽古すべき教えを説かれています。

特に面打ちに関してはとてもわかりやすく、私にとっては目から鱗が落ちる思いでした。

ピンチの後にチャンスがあること、ピンチは必ず来ること、それを必ず防ぐこと。

それらをよくよく意識すべきとの教えです。

第六章 得意技の認識不足

最近の各種大会の統計でも一本先取した者の勝率は7割前後と高い。したがって試合でまず一本、確実に奪える得意技を持っていることは非常に強みである。

剣道必勝講座 実戦に弱いのはなぜか 引用

先手を取るためにもどんなにその技を警戒されていたとしても、そのマークをはねのけて一本を取れる「得意技」を持つためにどうすればよいか。

私の場合は下から小手がそれになりますが、最近あまり多く決めていないので考え物であります…

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第七章 苦手意識

「相性が良い」とか「相性が悪い」という言葉は、勝負の世界に案外多く使われている。相性がが増加すれば勝率が上がり、その逆だと負けてばかりいることになる。

剣道必勝講座 実戦に弱いのはなぜか 引用

負けたことがある相手に苦手意識を持ってしまうと、その後の対戦でも負けてしまう可能性があります。

私もかつて、そう対戦する機会のない相手に偶然2回対戦し、すべて負けたことがあります。それからもう何年も相対していませんが、心に留めており、ひそかに「次は打ち勝つ」という気概を持っています。

苦手意識はどのように起こるか、また克服するにはどうすべきか、その辺りのヒントがちりばめられている章となります。

余談ですが、先日の大会で1~2年前に対戦し、負けた相手と勝負しました記事がこちらです。

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第八章 勝負は

年齢・経験がほぼ同じで実力も互角の者同士が試合をして、どうしてこういう結果(片方が勝率が高い)になるのであろうか。これが勝負の世界の面白いところでもあり、また謎でもある。

剣道必勝講座 実戦に弱いのはなぜか 引用

度量や胆力だけではない、紙一重でいつも勝つ者がどのような意識を持っているのか。

「能力がみな似たりよったり」というには私としては少々疑問符がついてしまいますが、この紙一重の差という現実を勝ちにつなげるための「断」をするための準備、勇気をいかに持つべきか。

第九章 ムラ

剣道にムラがある人というのは、剣道に取り組む態度が不安定なのだ。したがって、試合の成績も、よかったり悪かったりで一定しないというのである。

剣道必勝講座 実戦に弱いのはなぜか 引用

無刀流開祖・山岡鉄舟の「大工鉋(かんな)の秘術」というものがあるそうです。そこから「ムラ」のない剣道に仕上げる修行の一端を説かれます。

「良き師を選ぶべき」ともいっており、それが「ムラ」をなくすためにも必要であると。

調子が悪い時の実力もまた、自分の実力である。

第十章 己に克って

現代に生きる若い剣士諸君も、己に克つことが人に勝つ原点であると認識を新たにもって日々の練習に励むべきであろう。

剣道必勝講座 実戦に弱いのはなぜか 引用

「克」はがまんする、おさえつける、おのれにかつ。「勝」とは別物であり、それがいかに大事なことかがわかるものとなります。

彼を知り、己を知れば百戦殆うからず

剣は心なり、心正しかざれば剣また正しからず。剣を学ばんと欲すれば、先ず心より学ぶべし

奥深いですね。

しかし、この書は読みにくいものではありません。伊保先生はとてもわかりやすく書いてくださいます。

第十一章 心の工夫

心とは厄介な問題である。技や体とちがって目に見えないからである。

剣道必勝講座 実戦に弱いのはなぜか 引用

難しい「心」の問題に対して様々な世界や古典からあらゆるヒントをくださっている章となります。

おわりに(感想)

付録として最後に伊保先生のインタビューがついています。

読むかぎりの私の印象としては、伊保先生は本当に柔和な考えをお持ちの豪快な方だなというものです。

身長も高く剣道の才能に恵まれていたことで学生時代から全国トップクラスとしてご活躍されております。全日本選手権を取ったのが41歳と遅いことが驚きになるほどの実力者です。

ちょっと面白かったのが、昔話で戦後間もなくの大会などで、「小手あり」と言われて選手同士が「なし、なし、今のなし」なんていうシーンが見られたもので楽しかったとのお話があります。

東京高等師範学校では中学からライバルで友人の谷口安則先生(範士九段)や秋田師範出身の奥山京助先生(範士八段)※あの巻き技で有名な先生。と福岡師範時代からチームメイトの山田定彦、佐藤義太郎先生とのメンバーで各大会のタイトルを総なめにしたそうです。

たいていは前の3人で勝負を決めてきてしまうそうで副将の谷口先生が自分のいいところを見せたくて、中堅の佐藤先生に「負けてもいいぞ、負けてもいいぞ」と言ってたそうです(笑)大将である伊保先生は座っているだけで楽なもんでしたと(驚)

とてつもなく強そうなメンバーです(笑)想像するのも楽しくなりました。

ちなみに奥山先生のことを少し書いた記事もこちら

【実録】「昭和の剣豪」を括目せよ!!
皆さんこんばんは。一の太刀です。 早速ですが剣道のお話です。本日は「昭和の剣豪たち」についてです。 昔の先生たちは凄かっ...

また、先生は一時期小説家を志しただけあり、内容もわかりやすく、また囲碁・将棋、古代中国の故事、剣豪の書物・古典・詩など、幅広い教養をお持ちであり、それらを剣道に活かして私たちに教えてくださいます。

この「剣道必勝講座 実戦に弱いのはなぜか」は、よくある剣道の技術本ではありません。技の解説もなく、その為その類の写真もありません。

勝負における「心の置き所」や「普段の稽古に対する姿勢」「古典より学べるもの」そのようなもので私たちに勝負の際のなんたるかの指標となるものかと思います。

小学生ですとさすがに読むに難しいかもしれませんが、中学生ほどの年齢であればよくよく理解できる、とても勉強となる書であります。

我われ剣道人にとって、読む年齢を選ばないどの世代・技量にとっても為になる「良書」です。

私もこの本の影響をふんだんに受けています。

ではおわりに柳生石舟斎が孫の兵庫助利厳に送ったとされる極意の歌を

切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ だんだ踏み込め神妙の剣

ではまた!

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