【実録】「昭和の剣豪」を括目せよ!!

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皆さんこんばんは。一の太刀です。

早速ですが剣道のお話です。本日は「昭和の剣豪たち」についてです。

昔の先生たちは凄かったってお話を聞いたことはありませんでしょうか。

しかし、すでに「昭和は遠くなりにけり」

どれほどのものであったのか。

それを知ることのできる映像などはそう多く残ってはいません。

このご紹介する映像を見たとき、私は大きな「衝撃」を受けました。

もし、「名前は知っているけど、実際の動き見たことないし、今の方がより鮮麗された剣道してるんじゃないかな」などど思われている方がいらっしゃれば、考えを改める必要あると思うはずです。

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昭和の先人剣豪たちの凄さを知る

私は見ました。

昭和の剣豪たちの凄さを。

私が十数年前に剣道を再開したばかりの頃、とにかく情報を集めたくて本を読み漁りました。その際、「昭和の剣豪」というDVDも買ってみました。

有名なDVDですのでご存知の方もいるかもしれませんね。

こちらを項目ごとにご紹介したいと思います。

昭和54年「剣道範士八段選抜優勝大会」  奥山京助先生【その「巻き上げ」の神技】

特筆すべきは秋田の奥山京助先生の有名な「巻き技」でしょう。

舞台は八段選抜優勝大会の準決勝、しかも相手はあの高名な森島健男先生です。

森島先生は警視庁剣道名誉師範、範士「元九段」のちに九段を自ら返上されています。

斎村五郎先生、小川忠太郎先生などから学ばれ、ご活躍されたたいへんなお方です。この後ご紹介する「京都大会」でも美しい飛び込み面を見せてくださっています。

その試合でつばぜり合いから離れ際にきれいに巻き上げて森島先生の竹刀を「頭上はるか上」まで吹っ飛ばしてしまいます。

会場のどよめきはなかなか収まりません。

相手としては完全に「死に体」の状況。

奥山先生は直後、相手の喉元に剣先をつける構えを崩さず打突はしません。ここにまた奥深さを感じます。

「やめ」の後の開始直後、あの森島先生でも動揺を隠しきれず、奥山先生の「面」があざやかに決まります。お互い一本づつとった状況となりました。

しかし、さすが森島先生と言うべきか、落ち着きを取り戻し、奥山先生から三本目に胴を取り、勝利。

優勝は技のすべてが豪快な伊保清次先生となりますが、インパクトはどうしても奥山先生となるかと思います。

それにしても各試合すべてが素晴らしい。

昭和48年「東京都剣道祭」 昭和50年代前半「京都大会」

あまたの高名な先生方の剣道を見ることができます。

中でも私が目を引いた先生方のご紹介。

鈴木幾雄先生

もともと鈴木先生は「身体能力」に頼らない「理合い」で攻める剣道と聞いておりました。その攻めの一つ一つにはすべて理合いがあり、それ故にご高齢になられても衰えなどまるでないと。たしか必殺の「歩み足」の達人とも聞いています。

鈴木幾雄先生の「胴打ち」も目を引きました。

現代剣道ではなかなかお目にかかれないと思います。

「胴」を打ち腰を落とす残心。

中野八十二先生

いかにも大柄な越後人らしい悠々とした「構え」から「内小手」「返し胴」とキレのある技を何度も繰り出されています。

また、特筆すべきは京都大会でみることができる「片手突き」です。

相手はまた高名な範士九段小島主先生ですが、あまりの突きの鋭さに会場が「どよめき」ます。

そして、その直後に小島先生はお返しとばかりに突きを打ちに行きます。

しかし!中野先生はこれまたあざやかにその突きを右手一本できれいに払い落としてしまいます!(立ち合い終了のため)そこでまた一段と会場のどよめきと拍手。

圧巻でした。

この、範士九段である中野八十二先生の教えをまとめた本もあり、私はそれを愛読しておりますが、とても参考となるものです。さすがは剣聖:持田盛二先生の義理の息子さんです。

小川忠太郎先生

小川先生はこの映像ではあまり動きません。

相手の打突を常に喉元で押さえ、まったく「構え」を崩しません。

京都大会では国士舘大学初代剣道部長を務められる範士九段の大野操一郎先生ですが、構えを崩さない小川先生の喉元めがけて「片手突き」を繰り出します。

しかし、小川先生は見事にすり上げて「面」を打ちます。

この「突きすり上げ面」となりましょうか、この技に会場は驚嘆。

正直に言ってこの「面」しか打突していないのではないか思うほど打ちにいかないのですが、この打突が見事過ぎて印象深く残ります。

佐藤貞雄先生

また、東京都剣道祭で小川忠太郎先生の相手をされた佐藤先生も見事!

小川先生の理合いを理解しているからこそであろう対応をされており、見ていて、とても気持ちの良い剣道をされているなぁと、つくづく思いました。

「こうありたい」

そう思う先生であります。

伊保清次先生

伊保先生の著書をいくつか読ませていただいていますが、まさしく「勝負師」という剣道をされます。

先の秋田の奥山先生とは東京高等師範学校時代のチームメイトだそうです。

「豪快」「大胆」かつ「繊細」と言いましょうか。これは強いと誰でもわかるような剣道を見ることができます。

特に「面打ち」が豪快過ぎて、私の中では「六三四の剣」でいうところの「夏木栄一郎」か「夏木六三四」のイメージですね。

このDVDでの映像では「中段」に構えているのですが、実際に伊保先生は「上段」の構えの名手でもあります。

もともと「上段」で試合に勝ち続け名を上げたのですが、「中段」もしっかり学ばなければとのことで練り上げ、両の構えともに達人になられたとか。

凄すぎです。

中倉清先生 【戦うに敵なし】

高名な中倉清先生の映像をこのDVDで初めて見たのですが、身体能力が高いことがよくわかる映像となっています。

73歳の頃の映像なのですが、とにかく剣道が若く、どんどん打ってきます。

私たち剣道家の到達点の一つを見ることができる思いです。

高野孫二郎先生 【冴えある面打ち】

高野佐三郎の養子、高野茂義を父に持つこの先生は、恐らく大柄でもない体型ながら、冴えがあり、また、しっかりと押し切っている「飛び込み面」を見せてくださいます。

「スパーン!と打っている」

表現が正しいかわかりませんが、まったく無駄のない、もの凄い「面打ち」です。

相手がその圧力に屈していることが映像でもよくわかります。

そして相手が打ってきたものに関しても、相手の手元を抑えて防御しているところがまたあざやかです。

映像はすぐ終わってしまうのですが、私の中では高野孫二郎先生の「面打ち」は目標のひとつとして、今もなお、脳裏に焼き付けています。

乳井義博先生 【驚嘆する技の数々】

高野佐三郎先生に師事し、全国を武者修行した強者です。当時の炭鉱で働く「力自慢」の大男たちとも剣道とは言えはい格闘技のような戦いも制し、小牛田農林高校で指導することになります。

有名な「水平切返し」の発案者でもありますね。45℃程度ではなく、地面に向かって水平に(横面を)打つようにするこの「水平切返し」は手首の柔軟さと強さを鍛えるものだそうです。数を重ねるとこの切返しの辛さがわかるでしょう。

乳井先生の学生を指導する映像がでてきますが、あまりの「凄さ」に驚きました!

インパクトとしてはこの「昭和の剣豪」で「随一」のものです!!

「速さ」「鋭さ」「柔らかさ」「強さ」すべてを兼ね揃えた打ち込みに衝撃を受けます。

「巻き落とし」や「表から小手を抑えて裏から小手面の連続技」など、もうとにかく驚嘆します。

この映像をみて「凄い」と思わない方はいないのではないかと思うほど、「凄まじさ」が一目でわかるものとなっています。

腕の太さや体幹の強さなども目を引くとてつもない「剣豪」です。

インタビューの声も聞くことができ、「昨今の剣道について」お話されています。

森寅雄先生 【物腰柔らかな紳士の実力】

天才と言われた森先生の映像まで出ています。フェンシングでもアメリカで名を上げ、オリンピックコーチとしても実績をのこされた、「タイガー・モリ」としても高名な先生ですね。

残念ながら「形」の映像のみで防具をつけて剣道をしているところは見れません。

それにしても森寅雄先生はカッコいいですね!ほれぼれするような男ぶりであります!

昭和9年の天覧試合決勝では兄弟のように育てられた講談社二代目社長となる従兄の同じく天才と謳われる野間恒氏との対戦。

育ての親である野間清治からの指示で、わざと負けて勝ちを譲ったのではないかとの疑惑まで生まれたそうです。(諸説あり)

曽祖父は幕末の北辰一刀流玄武館四天王のひとり「森要蔵」。母方の伯父が講談社の創設者:野間清治

別名「悲運の天才」

絵になる男の要素満載です!

持田盛二先生 【剣聖の心】

持田盛二先生の構え

言わずと知れた範士十段持田先生の映像はご高齢の時のものとなります。

特に腕が長く、「構え」は美しく、穏やかに「すべてを見通している」ような印象を受けます。

本当にそんな気にさせられる「たたずまい」です!

それしか言えません。

おわりに 斎村五郎先生と持田盛二先生の「剣道形」

映像の最後には斎村先生と持田先生の「剣道形」の一端を拝見できます。

ライバルと言われた両先生のその「形」を、私は本当に「美しい」と感じます。

また、その際にバックで流れる音楽も良いのです。

「剣道形」を見て、この様に心揺さぶられることはこの映像意外に、私はありません。

おわりに持田先生の言葉を。

私は、初段の者が来たら、私も初段と同じように

五段の者が来たら、五段と同じように

九段の者が来たら、九段と同じように

互角につかいたいと思っている。

ではまた!

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